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米大統領選のトランプ氏勝利で懸念されるアリゾナ州半導体産業への影響(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月13日 11時10分

11月5日に実施された米国の大統領選挙で、11月9日には激戦州のアリゾナ州で共和党のドナルド・トランプ前大統領の勝利が確実になり、7つの全激戦州(スイングステート)でトランプ氏が勝利した。

アリゾナ州では、米国内外から半導体関連投資が活発に行われている。特に半導体ファウンドリー(受託製造)世界最大手の台湾積体電路製造(TSMC)は同州に650億ドル以上の投資を行うとしており、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき、同社に最大66億ドルの助成が発表されている(2024年4月9日記事参照)。しかし、トランプ氏は選挙期間中、台湾が米国の半導体ビジネスを盗んでいると非難してきた。ロイター通信(電子版11月7日)によると、TSMCは大統領選挙の結果を受けて、米国での投資計画に変更はないと答えている。

トランプ氏はCHIPSプラス法を批判しているが、専門家は、トランプ氏は若干の修正を加える程度で、同法を撤回しようとはしないだろうとみている(CNBC11月7日)。

アリゾナ州では、大統領選でトランプ氏の得票率52.3%に対して、ハリス氏は46.7%にとどまった(AP通信)。同州は無党派層が最大勢力であるものの、長年、共和党の牙城とされてきた。しかし、前回2020年の大統領選挙では得票率わずか0.3ポイント差でジョー・バイデン大統領がトランプ氏に勝利した。その前の2016年の大統領選挙ではトランプ氏が民主党のヒラリー・クリントン候補に4ポイント差で勝利していたが、今回の結果は2016年時よりも差が多かった。

こうした背景の1つに移民問題が挙げられる。ジェトロのヒアリングによると、同州の在住者からは「この数年で不法移民に不満を持つ人が増えてきたことを実感している」との声が聞かれた。トランプ氏とハリス氏はともに、選挙日直前に同州を訪問し(2024年11月5日記事参照)、トランプ氏は移民と国境管理を「最大の問題」と指摘していた。他方、ハリス氏はトランプ氏の移民政策を批判しつつ、不法移民対策として国境の警備を厳重化することを主張していたが、及ばなかった。

(堀永卓弘)

(米国)

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