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世界銀行、GCC各国の経済予測を報告(湾岸協力会議(GCC)、中東、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月4日 1時0分

世界銀行が5月29日に発表した湾岸協力会議(GCC)(注)地域の最新の経済予測2024年6月4日記事参照)では、多くのの国で非炭化水素部門の成長が経済成長を支えるとした。

サウジアラビアは、2023年の低成長に続き、2024年の成長率は2.5%と予測される一方で、非炭化水素部門は4.8%の堅調な成長を見込む。石油の自主減産が2024年第2四半期に終了し、同年後半に生産が徐々に増加することが予測されるため、2025年の成長率は全体として5.9%を見込む。

アラブ首長国連邦(UAE)は、2024年後半のOPECプラスの石油増産見通しと世界経済の回復を背景に、同年の成長率は3.9%と予測され、石油生産は5.8%伸びるとしている。また、非炭化水素部門では観光、不動産、建設、運輸、製造業の好調により3.2%成長と、経済成長を支える。

カタールは、2024年の成長率は前年比でわずかな上昇(2.1%)にとどまる見込みだ。非炭化水素部門は観光分野の成長に牽引され、2.4%と引き続き堅調に成長する。炭化水素部門は、生産能力制約の影響で、2024年は1.6%と減速が予測されるものの、ノース・フィールドの天然ガス採掘拡張プロジェクト開始に伴い、2025年第4四半期から2027年にかけて大きな成長が見込まれる。

オマーンは、ガス生産の増加と経済の多様化へ取り組んでいるが、2024年の成長率は1.5%を見込む。ビジネス環境の改善や中小企業の支援、再生可能エネルギーとグリーン水素への投資も見込まれるうえ、世界的なエネルギー需要の回復や再エネなどへの投資増加に支えられ、中期的にはさらなる成長を見込む。インフレ率も中期的には2%に収束を予測する。

クウェートは、財政政策拡張やアルズール製油所を含めた石油生産の3.6%の増加により、2024年の成長率は2.8%に回復すると見込まれる。非炭化水素部門は2.1%の成長を見込むものの、高金利により国内消費が抑制され、経済停滞の危険性もある。また、政治動向の不確実性により、インフラプロジェクトが遅れ、改革のペースが鈍化する可能性もある。

バーレーンは、観光とサービス業の回復、インフラプロジェクトの継続に支えられた非炭化水素部門の成長に加えて、石油生産の増加もあって、2024年は全体として3.5%成長率と予測されている。

なお、2024年のGCC全体の実質GDP経済成長率予測の2.8%以上なのはUAE、クウェート、バーレーンの3カ国だった。

(注)湾岸協力会議(GCC):1980年に開催されたアラブ・サミットでのジャービル・クウェート首長(当時)の提案を受け、翌1981年にサウジアラビア、UAE、バーレーン、オマーン、カタール、クウェートによって設立。本部(事務局)はサウジアラビアの首都リヤドに所在。

(加藤皓人)

(湾岸協力会議(GCC)、中東、バーレーン、クウェート、オマーン、カタール、サウジアラビア、アラブ首長国連邦)

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