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米商務省、国立半導体技術センター初の旗艦施設、EUVアクセラレーターをNY州に設立へ(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月1日 11時35分

米国商務省は10月31日、国立半導体技術センター(NSTC)を運営する非営利団体Natcastとともに、NSTC初の研究開発(R&D)の旗艦施設となる「極端紫外線(EUV)アクセラレーター」をニューヨーク(NY)州の州都オールバニーの「オールバニー・ナノテク・コンプレックス」内に設置すると発表した。EUVアクセラレーターには、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づいて約8億2,500万ドルが拠出される。オールバニー・ナノテク・コンプレックスは、先端半導体研究開発の非営利の支援機関NY CREATESが運営している。

商務省が2023年4月に「NSTCのビジョンと戦略」(2023年5月9日記事参照)を発表して以降、研究開発拠点がどこに設けられるのか注目されていた。商務省は発表で、EUV露光は7ナノメートル(nm)世代以降のトランジスタの量産に重要な技術で、その研究開発は、米国の技術的リーダーシップの拡大、試作品作成の時間とコストの削減、半導体労働力のエコシステムの構築と維持というNSTCの3つの目標を達成するために不可欠だと述べている。EUV露光装置は高度な技術が必要なため、現在はオランダのASMLしか開発・生産できないといわれている。

EUVアクセラレーターは2025年に稼働を開始する予定で、主な機能は次のとおり。

高開口数(NA)EUVシステム(注)を含む最先端のEUV露光装置と、次世代の研究開発能力へのアクセス(標準NAEUVシステムは2025年、高NAEUVシステムは2026年を想定)
産業界、学術界、政府機関との連携を促進し、技術革新を推進
NSTCの施設を利用したNatcast、NSTCの研究者の支援
有能な人材の確保、育成、成長を支援するプログラムのサポート
NSTCの全施設で、オープンで協力的な研究開発環境を促進しながら、NSTCの会員数と関与を拡大

商務省のジーナ・レモンド長官は発表で、初の旗艦施設の設立は「米国がイノベーションと半導体の研究開発でグローバルリーダーであり続けることを確実にするための重要なマイルストーンとなる」と述べ、その重要性を強調した。

なお、商務省は今後数カ月の間に、NSTCの提携テクニカルセンターの選定プロセスを発表するとも明らかにした。

(注)NAは露光装置の解像度の指標。

(赤平大寿)

(米国)

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