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アタル内閣が総辞職、職務執行内閣として留任(フランス)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月22日 15時15分

フランスのエマニュエル・マクロン大統領は7月16日、下院(国民議会)選挙の結果を受けてガブリエル・アタル首相が7月8日に提出していた辞表を受理した(2024年7月9日記事参照)。これを受けてアタル内閣は同日、総辞職したが、新内閣が成立するまでは職務執行内閣として留任することが決まった。職務執行内閣の権限は、既存の法律に基づいた行政運営にかかわる省令・政令の発令などに限られる。新たな法案や規制・制度改正など政治的決定をすることはできないが、テロや大規模な自然災害など緊急な案件については、非常事態宣言を発令するなどの権限を持つ。

首相を指名する権限は、憲法で大統領のみに属すると定められているが、指名までの期限については明記されていない。マクロン大統領は7月10日に発表した「国民への手紙」の中で、共和国の理念や現実的でわかりやすいプログラムを基にした持続可能な多数派の形成を求め、それぞれの政治勢力が穏やかに互いを尊重しつつ譲歩するための時間が必要だとして、首相任命を急がない方針を示した。

他方、下院選挙で最大勢力となった左派連合「新民衆戦線(NFP)」は統一首相候補の選出を巡って、極左「不服従のフランス(LFI)」と左派「社会党」の間で交渉が難航している。当地のメディア報道では、新政権の誕生はパリ五輪の閉会以降に持ち越されるとの見方が優勢だ。

こうした中、7月18日に招集された下院の特別議会で、今後の議会運営を左右する議長選挙が行われた。議席数がいずれも過半数に満たない左派、中道、極右の3つのブロックの力関係を測る機会として注目されたが、6人の候補者のうち第1回、第2回投票で過半数を獲得した候補者がなく、第3回投票でマクロン大統領を支持する中道「ルネッサンス」のヤエル・ブロン=ピベ前議長が右派「共和党」、中道「オリゾン」の協力を得て再選を果たした。得票数はブロン=ピベ議長が220票、NFPのアンドレ・シャセーヌ議員が207票、極右「国民連合(RN)」のセバスチャン・シェヌ議員が141票だった。

なお、下院のグループ別構成を見ると、定数577のうち、単独グループの最大勢力は極右RNの126議席で、これに「ルネッサンス」を含むマクロン大統領派の「共和国連合(Ensemble pour la République)」が99議席、極左「不服従のフランス(LFI)」72議席、「社会党」66議席、「共和右派(共和党)」47議席、「社会・環境派」38議席、中道「民主派」36議席、右派「オリゾン」31議席、中道「自由・独立・海外・領土(LIOT)」21議席、「民主共和左派」(主に共産党)17議席、共和党からRN支持に回った「右派」グループ16議席、無所属8人となった。

(山崎あき)

(フランス)

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