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コオロギや蚕など昆虫16種類、シンガポールが食用に輸入解禁(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月26日 0時0分

シンガポール食品庁(SFA)は7月8日、16種類の昆虫およびその加工品について、ヒトの食用および食用に飼育される動物向けの飼料としての輸入を認めると発表した。SFAは当初、2023年中に昆虫の輸入を認める方針を発表したが、輸入解禁を延期していた(2023年3月3日付地域・分析レポート参照)。

SFAが食用・動物飼料として輸入を認めるのは、(1)バッタやコオロギなどの直翅類(ちょくしるい)、(2)甲虫類などの鞘翅目(しょうしもく)、(3)ハチミツガや蚕などの鱗翅目(りんしもく)、(4)ミツバチに代表される膜翅目(まくしもく)の4種目にあたる昆虫16種類だ(注)。同庁が2022年に実施した意見公募の際に含まれていたコガネムシ類の輸入は解禁されなかった。

SFAによると、昆虫を食用・動物飼料として輸入する事業者は、同庁への登録が必要となり、輸入する昆虫の海外の加工施設の登録も義務付けられる。また同加工施設が、食品安全マネジメントシステム(FSMS)またはHACCPに基づき昆虫の加工を行っていることを証明する書類の提出が求められる。このほか、食用・動物飼料用に生きている昆虫を輸入する際には、貨物通関許可を申請する前に、シンガポール国立公園局(Nパークス)の許可が必要になる。

シンガポールでは近年、輸入解禁をにらんで、国内外のスタートアップ複数社が昆虫由来の食品の販売を計画していた。シンガポール地場のスタートアップ、アルティメイト・ニュートリション(Altimate Nutrition)は、コオロギ由来のプロテインバーを販売する予定だ。また、信州大学発スタートアップのモルス(Morus、本社:東京都品川区)は6月25日、蚕由来の代替タンパク質食品を、シンガポールを拠点に海外販売する計画を発表していた(2024年7月1日記事参照)。

シンガポールは2030年までに食料自給率を栄養ベースで30%に引き上げることを目標としており、環境負荷の少ない新たな代替タンパク源として、昆虫や細胞培養肉、植物代替肉などが注目されている。

(注)食用・動物飼料として認める具体的な昆虫の種類と輸入手続き、HSコードについては、SFAの発表資料を参照。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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