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1~9月の貿易総額は2兆リンギ超、黒字幅の縮小続く(マレーシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月7日 0時45分

添付資料PDFファイル(227 KB)

マレーシア統計局は10月28日、2024年1~9月の貿易総額が前年同期比10.2%増の2兆1,392億リンギ(約74兆8,720億円、1リンギ=約35円)だったと発表した(添付資料表1参照)。輸出額は5.2%増の1兆1,152億リンギ、輸入額は16.1%増の1兆240億リンギだった。貿易黒字は912億リンギで、前年同期比48.8%縮小した。

輸出を品目別にみると、全体の39.2%を占める電気・電子製品が4,373億リンギで、前年同期比0.6%増だった(添付資料表2参照)。うち同品目の半分を占める集積回路が0.2%増の2,262億リンギと微増だった。次いで精製石油製品は9.0%減の911億リンギと前年割れした。一方、パーム油・同製品は9.9%増の825億リンギ、液化天然ガス(LNG)は1.1%増の442億リンギ、専門・科学・制御機器および装置は12.8%増の421億リンギと、それぞれ堅調に増加した。

輸入では、電気・電子製品が前年同期比28.6%増の3,325億リンギで、全体の32.5%を占めた。次いで精製石油製品が961億リンギ(1.3%増)、原油が481億リンギ(11.7%増)、特定産業・部品用の機械および装置が230億リンギ(56.6%増)、非貨幣用の金が153億リンギ(46.9%増)と続いた。

相手国・地域別にみると、輸出では、シンガポールが前年同期比2.3%増の1,715億リンギで、最大の輸出相手国だった(添付資料表3参照)。次いで米国(17.6%増の1,405億リンギ)、中国(1.9%減の1,371億リンギ)、香港(4.3%減の644億リンギ)、日本(3.0%減の625億リンギ)が続いた。輸出先上位5カ国・地域のうち、シンガポールと米国のみが前年同期を上回った。投資貿易産業省(MITI)は、米国向けの輸出増は主に電気・電子製品、機械・設備・部品、光学・科学機器の需要増によると説明した。

輸入では、全体の21.3%を占める中国が17.2%増の2,180億リンギで首位だった。次いでシンガポール(19.1%増の1,247億リンギ)、米国(48.6%増の940億リンギ)、台湾(30.0%増の804億リンギ)、日本(1.7%増の536億リンギ)が続いた。

なお、四半期ごとの輸出増減率への寄与度をみると、米国の輸出増の寄与が大きかった(添付資料図参照)。

マレーシア工業開発銀行(MIDF)研究所は2024年通年の輸出入の伸びについて、電気・電子製品貿易の回復や、外需と内需双方の増加を背景に、輸出は5.2%増、輸入は11.2%増と予測した。ただし、世界的な生産と貿易の減速や地政学的緊張によって、マレーシアの貿易がマイナスの影響を受ける可能性があるとも指摘した。

(戴可炘)

(マレーシア)

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