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インドネシアがBRICS加盟の意向を表明、国内からは加盟に懐疑的な声も(インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月11日 0時10分

インドネシアのスギオノ外相は10月24日、ロシア・カザンで開催されたBRICSプラス首脳会議において、BRICS加盟の意向を表明した(10月24日、インドネシア外務省)。スギオノ外相は、10月20日に就任したプラボウォ・スビアント大統領の特使として、同会議に参加した。ASEANでBRICS加盟の意向を示したのは、タイ、マレーシアに続き3カ国目(2024年7月30日記事参照)。

首脳会議の後に発表された「カザン宣言」では、加盟国に次ぐ準加盟国に相当する「パートナー国」制度を新たに創設することが盛り込まれ(2024年10月31日記事参照)、インドネシアを含む13カ国が参加するとした(10月25日付、「ジャカルタ・ポスト」)。

インドネシア大学で国際法を研究するヒクマハント・ジュワナ教授は、「インドネシアはOECDの影響力が以前ほど大きくない」との見解を示したうえで、BRICSをOECD諸国の経済力に対抗する力となり得るとした(10月27日付、「コンパス」)。また、アンダラス大学で国際関係学の講師を務めるバチュオス・セティアカ氏は、インドネシアのBRICS加盟に向けた努力は、国際社会におけるインドネシアの影響力の増大につながるとしたうえで、「BRICSは農産物や繊維製品、電子機器などの潜在的な輸出市場である」とした。また、BRICSが設立した新開発銀行(NDB、注)にアクセスできることで新たな資金源の確保につながるとした。(10月26日付、「テンポ」)。

他方、インドネシア経済法律研究センター(CELIOS)のイエタ・プルナマ研究員は、BRICS加盟の動きがインドネシアのOECDへの加盟プロセス(2024年5月13日記事参照)に影響を与える可能性があるとしたうえで、「OECD加盟は、先進国になろうとするインドネシアの方針と一致するため、BRICS加盟よりも緊急性が高い」と述べた。

また、CELIOSで中国・インドネシアデスクのディレクターを務めるムハンマド・ズルフィカル・ラフマット氏は「BRICSへの加盟は、南シナ海における中国への対応など、重要な外交政策に対するインドネシアの独立性に影響を与える恐れがある」と強調した(10月28日付、「テンポ」)。さらに、前述のアンダラス大学のバチュオス講師は「BRICS経済への依存という新たなリスクを生む可能性」にも言及している。

(注)NDBは、BRICS加盟国やその他の新興国のインフラや持続可能な開発プロジェクトに融資を行う目的で、2015年に設立。本部は中国の上海市にあり、資金はBRICS加盟国を中心とする関係国からの出資。

(大滝泰史)

(インドネシア、マレーシア、タイ、ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカ共和国)

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