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第2四半期のGDP成長率は前年同期比3.3%、前期から伸び率増加(香港)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月9日 0時55分

添付資料PDFファイル(112 KB)

香港特別行政区(以下、香港)政府統計処は7月31日、2024年第2四半期(4~6月)の実質GDP成長率(速報値)を前年同期比3.3%と発表した(添付資料図参照)。前期から0.5ポイント上昇し、香港政府が2月28日に公表した2024年通年のGDP成長率見通し(2.5~3.5%)の範囲内だった(2024年3月7日記事参照)。

第2四半期のGDP成長率を需要項目別にみると、個人消費支出は前年同期比1.6%減で、前期(1.2%増)より2.8ポイント低下した。固定資本形成は6.0%増で、前期(0.1%増)より5.9ポイントと大幅に上昇した。政府消費支出は2.0%増で、前期(2.2%減)から4.2ポイント上昇した。また、財輸出(7.6%増)は前期(6.8%増)より0.8ポイント上昇した。財輸入(3.4%増)は前期(3.3%増)より0.1ポイント上昇した。サービス輸出(1.3%増)、サービス輸入(12.4%増)は、前期(サービス輸出9.4%増、サービス輸入18.0%増)からそれぞれ8.1ポイント、5.6ポイント低下した。

香港政府報道官は、2024年第2四半期の香港経済について「引き続き緩やかな成長となった。財輸出は好調な外需に支えられた。固定資本投資も経済成長に伴い、さらに増加した」と述べた。2024年下半期については、「外需が持ちこたえられれば財輸出はプラスを維持し、景気の持続的な拡大は固定資産投資を下支えするだろう」と分析した。インバウンド観光や個人消費に関しては、「香港政府が実施するさまざまな施策、市場心理を底上げする取り組みや収入増が下支えする一方、来港客や香港居住者の消費パターンの変化(注1)と相対的な香港ドル高が引き続き課題となるだろう」との見方を示した。

香港大手銀行の大新銀行チーフエコノミスト兼ストラテジストの温嘉煒氏は「米連邦準備制度理事会(FRB)が下半期に利下げを実施すると予想されており、それが外需や企業投資の成長を支えるだろう。一方、来港客の消費パターンの変化および香港居住者による域外消費と北上消費(注2)の影響で、『常態化』したサービス貿易赤字は短期内に変わらないだろう」と述べた(「香港経済日報」紙8月1日)。

なお、香港政府は8月16日、2024年第2四半期のGDP成長率の詳細を公表する予定。

(注1)中国本土からの来港者の消費パターンは、ショッピングなどのモノ消費から、街歩きやハイキングなどのコト消費に変化しつつあり、宿泊地も香港より安い近接した深セン市に変わりつつある。

(注2)香港居住者が買い物目的で中国本土を訪れて消費すること。中国本土との往来再開後、安価で選択肢が豊富な深セン市に日帰りで遊びに行く者が増加している。

〔何樂晴(エスター・ホー)〕

(香港)

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