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モンゴル、欧州との関係強化進める(モンゴル、英国、ドイツ、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月23日 0時35分

英国のデービッド・キャメロン外務・英連邦・開発(FCDO)相は4月25日、モンゴルを公式訪問し、バトムンフ・バトツェツェグ外相と会談を行った。会談で双方は、過去60年間の協力の成果を強化し、両国関係のレベルを引き上げ、あらゆる分野で互恵的協力を促進することを確認した。両国関係についても詳細に協議し、貿易、経済、文化、教育、観光、電子政府、地質学の分野で協力を拡大することで合意した(注1)。会談後、双方は「モンゴル・英国包括的パートナーシップに向けたロードマップ」「モンゴルのレアメタル分野協力に関するモンゴル・英国政府間覚書」「地質科学・技術協力に関する覚書」に署名した。

また、4月29~30日にはベルギーのブリュッセルで、モンゴル・EUの地理的表示(GI:Geographical Indication、注2)に関する協定交渉が行われた。交渉はモンゴル外務省と知的財産庁、EUのアジア・豪州農業・農村開発局との間で行われた。モンゴル外務省は、付加価値製品の生産拡大を進める上で、地理的表示協定を通じてEU市場でモンゴル産の農産物・非農産物に保護を与えることが非常に重要としている。

さらに、5月15日にはウランバートルでEUが資金提供する国際貿易開発プロジェクトの開会式が行われた。同プロジェクトは、物流上の課題や国際貿易規則の複雑さなど、中小企業が直面する非関税障壁に対処することで、欧州市場へのアクセスを支援することを目的としている。開会式では、対外貿易政策の強化、輸出クラスターの多角化、長期的な官民パートナーシップの確立などについて意見交換を行った。

続く5月16日にはモンゴル外務省で、「モンゴル・ドイツ関係、現状と展望」学術会議が開催された。同会議では、政治関係、貿易、経済、投資、開発協力、教育、科学など、戦略的パートナーシップ文書(注3)に記載されたさまざまな問題が議論された。

モンゴルはロシアと中国に国境を囲まれており、物理的には接していないが、外交政策上、日本や欧米などの国を「第三の隣国」と位置づけ、ロシア、中国と同様に重視しており、近年、モンゴルと欧州各国との関係強化を進めている(注4)。

(注1)会談ではこのほか、モンゴルの長期国家開発方針「ビジョン2050」「新復興政策」「10億本植樹運動」の各目標での協力の可能性について話し合われた。

(注2)地理的表示(GI)とは、ある製品が特定の国・地域を原産地とし、品質や評判などの特性がその原産地と結び付きがある場合に、その原産地を特定する表示のこと。これを法的に保護することで、対象産品の模倣品や盗用品を市場から排除することなどが期待できる。

(注3)モンゴル・ドイツ関係は、2022年にロブサンナムスライ・オヨーンエルデネ首相がドイツを公式訪問し(2022年11月10日記事参照)、2023年にドイツのアナレーナ・ベアボック外相がモンゴルを訪問した。2024年2月には、ドイツのフランク・バルター・シュタインマイヤー大統領がモンゴルを国賓訪問し、両国関係を「包括的パートナーシップ」から「戦略的パートナーシップ」に引き上げた。「戦略的パートナーシップ」については2023年8月23日記事参照

(注4)2023年には5月と10月にフランスとの間で大統領の相互訪問が行われ、10月に消防・レスキュー、ウラン鉱床、通信衛星、地質科学、鉱物探査などの分野で協力文書が署名された。

(藤井一範)

(モンゴル、英国、ドイツ、EU)

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