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バイデン米政権、半導体関連の米ウルフスピードにCHIPSプラス法で7.5億ドルの助成発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月16日 13時0分

米国商務省は10月15日、米国半導体メーカーのウルフスピードに対し、CHIPSおよび科学法(CHIPSプラス法)に基づき最大7億5,000万ドルを助成することで、同社と予備的覚書(PMT)を締結したと発表した。

2022年8月に成立したCHIPSプラス法は、米国内半導体産業の振興を目的に、半導体製造施設や半導体製造装置などの建設や拡張などを行う企業に対して390億ドルの助成と25%の投資税額控除を行うほか、研究開発を行う企業に対して110億ドルの助成などを規定している。CHIPSプラス法に基づく半導体製造施設などの投資への助成金拠出の発表は今回20社目(注1)で、助成額の合計は350億ドル以上に達する。

助成対象となるのは、同社のノースカロライナ州のシリコンカーバイド(SiC、注2)ウエハー製造施設の新設および、ニューヨーク州のSiCデバイス製造施設の拡張プロジェクトだ。同社は商務省から最大7億5,000万ドルの助成を受けるほか、財務省に対してCHIPSプラス法に基づく25%の投資税額控除を申請する予定だ。商務省の発表によると、両プロジェクトを通じて、同社はSiCウエハーとSiCデバイスの生産能力をぞれぞれ現在の10倍と5倍に増強するほか、製造と建設現場でそれぞれ2,000人以上と3,000人以上の雇用創出を見込んでいる。

商務省のジーナ・レモンド長官は「人工知能(AI)、電気自動車(EV)、クリーンエネルギーは、いずれも21世紀を象徴する技術だ。これらの重要技術を支える半導体の米国内製造を再活性化させるため、ウルフスピードをはじめとする企業への助成を通じて、バイデン・ハリス政権は重要な一歩を踏み出した」と述べた。

ウルフスピードも同日にプレスリリースを行い、米国投資ファンドのアポロなどから別途7億5,000万ドルの融資を受けたと発表した。同社によると、商務省の助成金、財務省の税額控除と合わせた資金調達の総額は25億ドルに上る。ウルフスピードのグレッグ・ロウ最高経営責任者(CEO)は「これらの助成により、国内製造の拡大、次世代半導体の技術革新の加速、SiCに対する世界的な需要の高まりへの対応が可能になる」と述べた。

(注1)直近19社目は、10月10日に英国エドワーズバキュームの米国ニューヨーク州の半導体製造機器施設の建設に対して発表されていた(2024年10月11日記事参照)。

(注2)従来のパワー半導体材料のシリコン(Si)と比較して省エネ性能に優れ、次世代のパワー半導体材料の1つとされる。

(葛西泰介)

(米国)

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