カナダ中銀、政策金利を4.25%に引き下げ、3会合連続(カナダ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月5日 13時50分
カナダ中央銀行は9月4日、政策金利を0.25ポイント引き下げ、4.25%とすることを発表した。今回の引き下げは、前回に続き3会合連続となる(2024年7月25日記事参照)。
中銀はカナダ経済について、前月発表された2024年第2四半期の実質GDP成長率が前期比年率2.1%だったことや(2024年9月2日記事参照)、労働市場はここ数カ月ほとんど変化がないものの、賃金の伸びが生産性に比べて高いことから、経済全体としては依然として供給超過の状態だとした。
また、消費者物価指数(CPI)は、7月に前年同月比2.5%上昇(2024年8月22日記事参照)となり、コアインフレ指標も鈍化している。住宅関連費用の高騰は依然としてインフレの最大の要因だが、鈍化し始めていると指摘した。
今後の政策金利については、継続する供給超過がインフレ圧力を低下させている一方、住宅関連費用やその他一部のサービスなどの価格上昇がインフレ率を押し上げていることから、「インフレに対するこれらの相反する力を注意深く見極めている」と言及した。
発表を受けて同日、モントリオール銀行(BMO)のチーフエコノミスト兼マネージング・ディレクターのダグラス・ポーター氏は、次回も利下げが行われる可能性が大いにあるとし、「2025年の初めまでに25ベーシスポイント(bp、1bp=0.01%)の段階的な引き下げが続くと見ているが、いずれ50bpの段階的な引き下げが実施される可能性も否定しない」と予想した(BMOエコノミックファクツ9月4日)。
同様に、CIBCキャピタルマーケッツのマネージング・ディレクター兼チーフエコノミストのエイバリー・シェンフェルド氏も、「2025年3月までの各会合で4分の1ポイント(0.25%)の利下げを継続し、来年は2.5%付近を下限に利下げを実施するとの見方を堅持する」と予想した(CIBCエコノミック・フラッシュ9月4日)。
次回の政策金利と経済見通しを示す金融政策報告書発表は10月23日に予定されている。
(幡野裕一)
(カナダ)
外部リンク
- OPECプラス8カ国、自主減産を2024年11月末まで2カ月延長で合意(オマーン、クウェート、カザフスタン、ロシア、アラブ首長国連邦、イラク、サウジアラビア、アルジェリア)
- カナダ・オンタリオ州での酒類販売、コンビニなどでも販売可能に、約100年ぶりの方針転換(カナダ)
- 個人情報の国外移転に関する規則の改正発表(サウジアラビア)
- 米商務省、重要・新興技術の輸出管理の暫定最終規則を発表、量子や半導体など(日本、オーストラリア、カナダ、米国、イタリア、英国、スペイン、ドイツ、フランス)
- 米USTR、米EU貿易技術評議会(TTC)のグローバル通商課題WGに関するパブコメ募集(米国、EU)
- 7月~8月前半の経済活動はわずかに増加、米シカゴ連銀経済報告、労働市場軟化の兆し(米国)
- ジェトロ、バングラデシュ情勢で緊急ウェビナー開催(バングラデシュ、日本)
- 8月の米ISM景況感指数、大統領選に伴う政策変更リスクや高金利が投資や雇用を下押し(米国)
- 再エネ支援スキームCfD第6回オークションの結果公表、洋上風力が復活(英国)
- SNSブルースカイが急成長、Xのサービス停止が影響(ブラジル)
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1「イスラエル首相に逮捕状」で分かれる各国の反応 米国は反発も、トランプ氏の対応に注目
産経ニュース / 2024年11月22日 20時59分
-
2中国、持論を曲げ対日ビザ免除再開 景気低迷やトランプ氏再登板が影響か 日本側は驚き
産経ニュース / 2024年11月22日 19時44分
-
3露の中距離弾道ミサイル発射 米国防総省「事前通知があった」 プーチン大統領は“ウクライナ東部の兵器工場が標的だった”
TBS NEWS DIG Powered by JNN / 2024年11月22日 11時43分
-
4共産主義時代の政治犯刑務所 忌まわしい記憶を「遺産」に ルーマニア
AFPBB News / 2024年11月22日 19時51分
-
5紛争地の人道支援で死者281人 過去最悪、ガザ被害中心
共同通信 / 2024年11月23日 7時40分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください