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全国初の自由貿易試験区におけるデータの域外移転に関するネガティブリストが発表(中国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年5月20日 15時35分

添付資料PDFファイル(367 KB)

天津市商務局および中国(天津)自由貿易試験区管理委員会は5月9日、「中国(天津)自由貿易試験区データ域外移転管理リスト(ネガティブリスト)2024年版の印刷・発行に関する通知」を公布した。3月22日に施行された「データ域外流通を促進・規範化する規定」(以下規定、2024年4月9日記事参照)において、自由貿易試験区は区内においてデータ域外移転安全評価、個人情報域外移転標準契約、個人情報保護認証の管理範囲に含める必要のあるデータのリスト(ネガティブリスト)を自ら策定できるとされており、今回のリストは、自由貿易試験区における全国初のデータの域外移転管理に関するネガティブリストとなる。

同リストでは、同自由貿易試験区に所在する企業が域外提供を行うにあたってデータ域外移転安全評価の申告や個人情報域外移転標準契約の締結、個人情報保護認証の取得が必要なデータを示しており、リストに記載のないデータについて上記手続きは原則不要となる。ただし、国家機密に係るデータや核心データ、行政データは同リストの管理の対象外で、関連の法律・規定に従って域外移転を行うものとされた。

同リストにおいて、個人情報域外移転標準契約の締結、個人情報保護認証の取得が必要とされたのは「規定」と同様の場合となっている。一方、域外移転安全評価への合格が必要とされるデータとしては13種、45項目が列挙されている(注、詳細は添付資料表参照)。同項目の中には、輸出管理品目や輸出が禁止・制限されている技術も置かれ、それぞれ「輸出管理法」と「輸出禁止制限技術目録」に記載の関連データが対象となると明記されている。

また、中国(上海)自由貿易試験区内の臨港新区管理委員会も、5月16日付で生物医薬、スマートコネクテッドカー、公募ファンドの3つの分野において、データ域外移転に関するシーン別の一般データリスト(試行)を発表した。今後も、各自由貿易試験区において域外移転に関するデータリストが公表される可能性があり、各試験区の所在企業は動向を注視する必要がある。

なお、データの域外移転に関する動向について、ジェトロは4月18日、調査レポート「中国の安全保障貿易管理に関する制度情報 専門家による政策解説(2024年3月)」を公開し、解説記事「中国のデータ・個人情報の域外移転規制の最新動向(2024年3月時点)」を森・濱田松本法律事務所の協力を得て掲載している。

(注)国の各業界主管部門および天津市が認定した重要データは同リストに含まれるとされた。

(小宮昇平)

(中国)

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