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米国際貿易委、ファインデニールPSFの輸入に4年間の関税割り当て課すセーフガードの発動勧告(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月14日 11時50分

米国国際貿易委員会(ITC)は8月13日、ファインデニールのポリエステル短繊維(PSF)に対する緊急輸入制限(セーフガード)調査に基づき、救済措置の発動を勧告するプレスリリースを発表した。関税割り当て(TRQ)を4年間課すことなどを求める内容となっている。

ITCは3月にファインデニールPSFを製造している企業の要請に基づき、セーフガード調査を開始し(2024年3月13日記事参照)、7月にはファインデニールPSFの輸入増加が米国内産業に重大な損害を与える実質的要因になっていると認定していた(2024年7月12日記事参照)。

プレスリリースでは、4人の全委員が4年間、ファインデニールPSFの輸入にTRQを課すことと、一時輸入制度(TIB、注1)を利用する輸入に対して数量制限を課すことを勧告した。ただし、各委員の声明によると、勧告したTRQの税率などは委員によって異なる。例えば、エイミー・カーペル委員長は、TRQの数量を4年間通じて毎年1億1,482万ポンドとし、TRQ内の関税率は初年度に15%、その後1ポイントずつ低下し、2年目に14%、3年目に13%、4年目に12%とするよう提案した。TRQを超える輸入の関税率については、初年度に45%、2年目44%、3年目43%、4年目42%を提案している。米国と自由貿易協定(FTA)などを締結している国(注2)は、TRQの対象外とすることを推奨している。一方で、TIBに対する数量制限については、4人全員が初年度をゼロとし、その後は毎年100万ポンド(約45万キログラム)ずつ増加することで同じだった。

ITCは8月26日までに、損害認定と今回の救済措置の勧告をまとめた報告書を大統領に提出する。大統領はITCから報告書を受領後、60日以内にセーフガード措置の内容(実施の有無を含む)を決定し、決定後15日以内に措置を実施する必要がある。

(注1)関税の代わりに保証金を支払うことで、一時的に米国内に輸入できる制度。ジェトロの貿易・投資相談Q&A参照

(注2)オーストラリア、米国・中米諸国・ドミニカ共和国自由貿易協定(CAFTA-DR)締結国、コロンビア、ホンジュラス、イスラエル、ヨルダン、パナマ、ペルー、シンガポール、韓国、カリブ海経済回復促進法の受益国、カナダ、メキシコ。

(赤平大寿)

(米国)

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