第1四半期の実質GDP成長率は前期比0.3%、2期連続でプラス成長を維持(チェコ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月4日 16時0分
チェコ統計局の5月31日の発表によると、2024年第1四半期(1~3月)の実質GDP成長率(季節調整済み)は前期比0.3%で、2023年第4四半期(10~12月)に引き続きプラスを維持した(添付資料表1参照)。前年同期比では0.2%だった。
需要項目別にみると、家計最終消費支出が前期比1.0%増で、第4四半期の0.5%増から成長が拡大した。政府最終消費支出も前期の0.6%増から1.0%増になり、成長率を押し上げた。総固定資本形成は7.9%減で、唯一マイナスを記録した。
産業別では、運輸、小売り、卸売り、宿泊・飲食サービスが前期比1.9%増で、前四半期の0.7%減からプラスに転じ、2023年第1四半期以降で初めて前期比増を記録した。一方、製造業は2.1%減で、前四半期の2.4%増から4.5ポイント低下してマイナスに転じた(添付資料表2参照)。
チェコ産業連盟は、同日発表したコメントで、「2四半期連続で前期比・前年同期比ともにプラス成長を達成したことは、肯定的な傾向の継続を示している」としつつも、「より顕著な成長にはいたっていない」と慎重な姿勢を示した。特に工業部門に関しては、「統計は、好調な業績で1年のスタートを切ったとはいえないことを証明した」と、同連盟のボフスラフ・チージェック経済政策部長はコメントしている。同連盟のミラン・クレンピーシュ経済分析官は、工業部門における国内外からの受注の低迷、国際比較において割高なエネルギー価格などが依然として継続し、経済成長にブレーキをかけた上、労働力不足なども製造の拡大を抑制している、と指摘した。ただし、企業はこうした障害の克服に意欲的で、長期的には楽観的な見通しを示しているとし、「ポジティブな要素としては、インフレ率の低下、これに伴う国民の購買力の漸進的回復、そして低下しつつある金利が挙げられる」と同分析官は述べた。
(中川圭子)
(チェコ)
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