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米先端技術見本市「CES2025」、AIが最大のテーマ、社会実装に向けた発表相次ぐ(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月8日 13時25分

米国ラスベガスで1月7日、世界最大級の先端テクノロジー見本市「CES2025」が始まった。人工知能(AI)、デジタルヘルス、自動車技術と先進モビリティなどをテーマに、10日まで開催される。

開始に先立って6日に行われたプレス向けの講演イベントでは、各国の大手メーカーによるAIを活用した製品の紹介が相次ぎ、AIが今回のCESの最大のテーマであることを印象付けるとともに、各社がAIの社会実装を急速に進めている様子がうかがえた。

韓国のLGエレクトロニクスは「Affectionate Intelligence(愛情深い知性)」をキーワードに、AIを組み込んだ同社の製品がいかに日常生活を変えられるかを説明した。AIエージェントが中心となり、家庭内のエアコンや洗濯機、掃除ロボットなどが連携しつつ、家事の負担をなくす「Zero Labor Home(家事からの解放)」を提案した。そのほか、運転手が見る風景などの視線を検知して、過去に関心を持って見た類似の動画の視聴を提案する車内ディスプレー「Re Collection of Memory(記憶の蓄積・再現)」などのモビリティ関連製品を紹介した。

韓国のサムスン電子も「AI for All(全ての人にAIを)」をキーワードに、家庭内の家電やスマートフォンなどの各種デバイスがつながる「Home AI」の実現によって、産業を再構築すると主張した。AI利用を睡眠パターンの解析による病気の早期発見など健康管理に広げるほか、家庭の枠にとどまらず、ビルや船舶でもAI活用を進めていく方針を説明した。また、AI利用で個人情報の収集が増える懸念に対しては、プライバシーを保護する技術について時間をかけて説明した。

写真 サムスン電子による講演(ジェトロ撮影)

サムスン電子による講演(ジェトロ撮影)

米国企業では、農機・建機大手のジョンディアが最新の自動運転車両を紹介した。同社は、顧客企業が抱える課題として、労働力不足や作業者の高齢化、長時間労働などを挙げ、これら課題を解決するため、農場や砕石、造園などの現場での自動運転車両の活用を提案した。車両に取り付けたカメラやセンサーのイメージを解析したり、他の車両と連動させたりすることで、従来よりも作業効率や精度に優れた自動運転が可能になるとした。実際にカリフォルニア州の農場で、農薬散布に自動運転車両を活用し、作業負担が大幅に軽減された事例などを紹介した。

写真 ジョンディアによる講演(ジェトロ撮影)

ジョンディアによる講演(ジェトロ撮影)

日本企業では、トヨタ自動車が静岡県裾野市で建設中の実証都市「ウーブン・シティ」の第1期の建築完了を発表した。豊田章男会長は講演で「AIを活用し、ウーブン・シティの範囲を広げていく」と抱負を語った。また、ソニー・ホンダモビリティがAIを活用した運転支援システムや、車載機能を音声でコントロールできる対話型パーソナルエージェントを備えた電気自動車(EV)「AFEELA 1」の予約受け付けの開始を発表した。

写真 トヨタ自動車の豊田会長による講演(ジェトロ撮影)

トヨタ自動車の豊田会長による講演(ジェトロ撮影)

メディア向けイベントでは、中国の大手家電メーカーのハイセンスとTCLがAIを組み込んだ大型テレビなどの製品を紹介した。また、6日夜にはCES開会を前に、米国の画像処理半導体(GPU)メーカーのエヌビディア(NVIDIA)の基調講演も行われ、ジェンスン・ファン最高経営責任者(CEO)が「AIの次のフロンティアは物理AI(注)だ」と語るなどして会場を沸かせた。

写真 NVIDIAのファンCEOによる基調講演(ジェトロ撮影)

NVIDIAのファンCEOによる基調講演(ジェトロ撮影)

(注)現実世界の物理法則を理解し、それに基づいて行動・判断できるAIで、ロボットや自動運転などで体現される。

(米山洋)

(米国)

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