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低炭素肥料製造のワバシュバレー・リソース、米エネルギー省から15億ドル超の条件付き融資を確保(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月25日 11時15分

低炭素アンモニア肥料生産のワバシュバレー・リソース(本社:インディアナ州、以下WVR)は9月16日、米国エネルギー省(DOE)の融資プログラム局(LPO)が同社に対する最大15億5,900万ドルの融資を条件付きで承認したと発表した。この融資は、二酸化炭素(CO2)回収・貯留(CCS)技術を併用し、廃棄物からアンモニアを商用規模で生産する施設をインディアナ州で建設する資金に充てられる予定だ。

今回の計画では、工業用ガス化炉を転用し、石油精製過程で出る残留物の残渣(ざんさ)である石油コークスを利用して年間50万トンのアンモニアを生産し、生産の際に排出されたCO2を恒久的に貯蔵するという。WVRは、発表の中で「アンモニアを国内生産することによって、同社は東部コーンベルト(注)への肥料の供給不足を緩和するため重要な役割を果たす」としている。DOEによると、アンモニアを原料とした肥料は米国の農業部門において不可欠だが、その生産は温室効果ガス排出による気候変動の大きな要因となっている。また、アンモニア市場は不安定で、ロシアのウクライナ侵攻以降、価格が大幅に上昇し、農家が価格の変動の影響を受けているという。米国でも農業の盛んな中西部では、地元で調達できる肥料が不足しており、需要を満たすためにトラック輸送によるカナダからの輸入や、パイプラインや船による海外からの輸入が必要となっている。

なお、WVRは、同州のビゴ郡とバーミリオン郡でのCO2隔離施設の建設が許可されているとのことだ(インディアナキャピタルクロニクル2023年10月10日)。WVRによると、毎年約165万トンのCO2を回収・貯留する見込みで、CO2注入の開始は2027年、終了は2039年を予定している。計画では、同社のアンモニア製造施設で排出されたCO2のみが同地の施設で隔離の許可を受けている。

(注)Eastern Corn Belt。オハイオ州西部とインディアナ州中央部が大部分を占めており、さらにエリー湖から内陸のミシガン州南部にわずかに広がる地域。

(星野香織)

(米国)

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