モスクワの食品見本市に15カ国がパビリオン設置、日本企業の出展も(ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月7日 0時55分
第33回となる食品見本市「ワールドフード・モスクワ(WFM)」が9月17日から20日に、モスクワ近郊の展示会場クロックス・エクスポで開催された。主催者の発表(10月2日)によると、来場者数は2万2,000人を超えて前回より増加した一方、ナショナルパビリオンを設置したのは15カ国と、前年の17カ国から減少した(添付資料表参照)。
ロシアが指定する「非友好国」(注)の中で唯一、ハンガリーがナショナルパビリオンを設置した。同じく非友好国に分類される韓国は個別の小規模ブースで、韓国農水産食品流通公社がキムチのフリーズドライ食品やプロテインバー、パウチ入り飲料など、複数メーカーの商品を紹介した。全体で1,100を超える出展企業のうち、中国企業は約260社で全体の2割超を占めた。中国からは包装機械など非食品の展示も多くみられた。
ハンガリー企業は肉の加工品やワインなどを出品(ジェトロ撮影)
外国企業の中では中国企業の参加が圧倒的(ジェトロ撮影)
日本からは唯一、茶の専門商社ホクサン交易(静岡市)が出展。現地で直接商談に当たった森将社長は、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて対ロシアビジネスの難易度が増している面はあるものの、国内の日本茶消費量が減少していることもあり、茶農家のためにも世界的に茶の消費量の多いロシアとの取引は可能な限り続けていきたいと話した(9月17日に会場でヒアリング)。「現地パートナーを通じて、自社の商品がロシアの軍関係機関に流れていないことを確認し、それを茶農家にも理解してもらった上で、ロシア向け輸出を継続している」という。同社は2014年からロシア向けに茶の輸出に取り組んでいる。
地場のパートナー企業と共同出展したホクサン交易の森社長(左)(ホクサン交易提供)
日本産食品を主に取り扱うロシアの輸入業者レッドドラゴンもWFMに出展した。近年、韓国産食品の取扱量が増えているものの、依然として日本産食品が最大のシェアを占める。同社は現在でも毎月、40フィートコンテナ1本分の食品を日本から輸入しており、足りない分は地場の卸業者から購入している。エレーナ・ジュラフレワ社長によると、最も人気があるのはインスタントラーメンという。
日本食インポーターのレットドラゴンはブース内でラーメンの試食を実施(ジェトロ撮影)
(注)ロシア政府、ロシアの個人や法人に対して、非友好的行為を行う国・地域として連邦政府指示第430-r号(2022年3月5日付)で指定しており、欧米諸国や日本、韓国などが含まれる。同文書成立以降、数度にわたって改定(追加)している。
(欧州課)
(ロシア)
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