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バイデン米政権、外国直接製品(FDP)ルールなどを強化、ウクライナ独立記念日控え(米国、ウクライナ、ロシア、ベラルーシ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月26日 11時15分

米国のバイデン政権はウクライナの独立記念日(8月24日)を翌日に控えた8月23日、ロシアに対する大規模制裁を発表した。商務省産業安全保障局(BIS)は、外国直接製品(FDP)ルールの強化などを発表した。財務省と国務省は、400近くの個人・事業体を金融制裁対象である「特別指定国民(SDN)」に指定した(2024年8月26日記事参照)。

BISの発表によると、今回の輸出管理強化は、ロシアとベラルーシに対するFDPルールを強化することで、米国原産品のみならず、米国ブランド製品の供給も制限することを意図している。また、輸出規制を回避するための不正な調達ネットワークを対象とすることで、ロシアの軍備能力のさらなる制限も目的としている。主な改正点は次のとおり。

ロシア・ベラルーシの軍事エンドユーザー(MEU)およびFDPルールの調達規則を拡大し、コンピュータ数値制御(CNC)工作機械のオペレーションソフトウエアへ追加の輸出許可(ライセンス)要件を課すことにより、ロシアに対する輸出規制をさらに強化する。
エンティティー・リスト(EL)に掲載された国家安全保障や外交利益に反する外国企業への輸出を遮断し、ロシア・ベラルーシMEUの拡大とFDPルールの調達規則をロシア国外の数十の企業に適用する。
横流しをするダミー会社に使われる危険性の高い住所を特定するためのガイダンスを輸出者に提供するなど、ダミー会社に関連する輸出規制(2024年6月13日記事参照)を強化する。
特にロシアとベラルーシへの違法な再輸出を対象とする、輸出管理規則(EAR)に関する契約文言のガイダンスと勧告を提供する。

BISは今回のFDPルールの拡大について、米国原産品のみならず米国のブランド製品調達を支援する、ロシアおよびベラルーシ以外の国の事業体をしっかり捉えられるようになるもの、とその意義を説明している。ELについては、具体的にはロシアの63、中国(香港を含む)の42、イランの11、トルコの8の事業体を含む、123の事業体を追加した。BISは、ロシアによるウクライナ侵攻に対抗して、2022年3月以降、今回の追加を含め、1,056の事業体をELに追加したという。ダミー会社については、横流しリスクを行う企業の住所に使われている可能性が高い、香港とトルコにある4つの住所をELに追加した。ロシアおよびベラルーシとの輸出に関するガイダンスについては、FAQなどとともにBISのウェブサイトに掲載されている。

今回発表されたELへの追加は、8月27日に正式に官報で公示する。CNC工作機械のオペレーションに必要な特定のソフトウエアに関する制限については、9月16日に発効する予定となっている。

商務省で輸出管理を管轄するアラン・エステベス次官は「われわれは、この問題(ロシアによるウクライナ侵攻)をあらゆる側面から攻撃する多国間アプローチを継続し、ロシアが兵器に必要な米国の先端技術へのアクセスを防ぐため、あらゆる手段を駆使していく」と述べている。

(赤平大寿)

(米国、ウクライナ、ロシア、ベラルーシ)

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