コルドバ州のビジネス環境は多様な産業集積に強み、州知事らに聞く（アルゼンチン）

アルゼンチンのコルドバ州におけるビジネス環境について、同州のマルティン・ジャルジョーラ知事、ギジェルモ・アコスタ経済相、同州の貿易投資振興機関プロコルドバのパブロ・デ・チアラ総裁に話を聞いた（2024年9月20日）。

コルドバ州には多様な製造業が立地しているだけでなく、農業、原子力発電所、豊富な再生可能エネルギー（太陽光、風力、バイオマス）、観光業もある。製造業は特に自動車産業が集積している。完成車メーカーの拠点がブエノスアイレス州に次いで多く、フィアット・クライスラー、日産、ルノー、イベコが拠点を置く。日系自動車部品メーカーでは、デンソーが立地している。農業も盛んで、落花生、トウモロコシ、ひよこ豆の生産量が国内1位、大豆はブエノスアイレス州に次ぐ2位の州となっている。トウモロコシから生産されるバイオエタノールの生産量も国内1位だ。

コルドバ州に進出しているデンソー（ジェトロ撮影）

人口は約380万人で、ブエノスアイレス州（約1,750万人）に次いで多い。国家統計センサス局によると、2022年の全国の総付加価値（GVA：GDP-直接税）に占めるコルドバ州の割合は8.5％で、ブエノスアイレス州（32.5％）、ブエノスアイレス自治市（19.7％）に続いて多い。コルドバ州は、近隣州から人材を引きつけており、知識経済も成長している。

鉱物資源はないが、銅資源を有するサン・フアン州、カタマルカ州、サルタ州、フフイ州、メンドサ州が立ち上げた「銅ラウンドテーブル」にオブザーバーとして参加している。その背景には、コルドバ州には幅広い産業が集積しているため、同州の企業が銅鉱山のサプライヤーとして各州の発展に貢献できるとの考えがある。ジャルジョーラ知事は、コルドバ州の企業が、これから国内で開発が進む鉱物資源開発プロジェクトへの技術やサービスの提供に関心がある日本企業のパートナーになり得る、と述べた。

（西澤裕介）

（アルゼンチン）