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米・フォード生産終了発表後の波紋、組合・販売店・サプライヤーへの影響(インド)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2021年9月24日 0時10分

米国の自動車大手フォードが9月9日、インドでの生産終了を発表し、業界に大きな波紋を呼んでいる。同社声明では、今回の生産終了を通じた「事業再構築」により「約4,000人の従業員が影響を受ける見込みで、インド南部タミル・ナドゥ州チェンナイおよびインド西部グジャラート州サナンドの従業員、労働組合、サプライヤー、ディーラー、政府、その他の関係者と緊密に協力し、決定の影響を緩和するための公正でバランスのとれた計画を策定する」としている。

これに対し、9月9日付でインド自動車販売店協会連合(FADA)が声明文を出し、「既に約170のディーラーが391の販売店を持ち、販売店の設立のために約200億ルピー(約300億円、1ルピー=約1.5円)を投資している。フォード・インドは約4,000人を雇用しているが、われわれディーラーは約4万人を雇用している。これらディーラーは銀行から資金調達し、1,000台、1億5,000万ルピー相当の在庫を抱えている」と、その影響に大きな懸念を示した。また、「FADAはインド政府に対し、『フランチャイジー保護法』の導入を要請している。インドでは同様の法律が存在する多くの国と違って、自動車ディーラーは十分な補償が受けられていない」と述べた。

サナンド工場には、約2,000人の従業員が働いており、多くは30代で、住宅や車のローンを抱えているという。9月13日に経営陣との最初の会合で、サナンド工場の労働組合の代表者は「金銭的な補償よりも雇用の確保」を求めた。会社側は、組合の要求を聴取したのみで具体的方針を示さなかった(「インディアン・エクスプレス」紙9月17日)。

グジャラート州においては、2017年に米国自動車大手のゼネラルモーターズ(GM)がバドダラ近郊の工場を閉鎖したのに続き、今回のフォードが2例目の事案となる。フォードは2015年にグジャラート工場を稼働、約620億ルピーを投資し、「フィーゴ」「アスパイア」などのモデルを製造してきた。1995年にマヒンドラ・フォードとしてインド市場に本格参入して以来、インドで25年間も操業してきたフォードはサプライヤーの裾野も広く、今回の動きによって多くの中小零細企業(MSME)が大きく影響を受けるのではないかとの見方もあり、動向が注視される。

インドでは2017年以降、GM、マントラックス、ハーレーダビッドソン、UMロヒア2ホイーラーズと、インド市場からの撤退が相次いでいる。

(古川毅彦)

(インド)

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