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英野党・労働党、総選挙に向けたマニフェスト公表(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月14日 15時55分

添付資料PDFファイル(125 KB)

英国の野党・労働党は6月13日、総選挙に向けたマニフェストを公表した(添付資料表参照)。14年間の保守党政権により、政治は党利ではなく国への奉仕意識によって推進されるべき、また、努力に対して公平な機会が与えられるべきという2つの信念が危機にあるとして、変革の必要性を訴えた。

ミッション主導型政府、強固な土台、経済成長の促進、クリーンエネルギー、治安の回復、機会の平等、将来に適した国営医療サービス(NHS)の構築、国家への奉仕、国際関係の再構築という9つの章に分け、それぞれの政策をまとめた。経済、エネルギー、国際関係の主な政策は次のとおりとなっている。

〇経済成長の促進

新たな産業戦略を導入。評議会を設置し、自治体や企業、労働組合の代表者を集め、経済成長を促進。
研究機関や専門サービス、先端製造、クリエーティブ産業など、英国が強みを持つ分野を支援。金融サービスについては、イノベーションや成長を促すような新技術の支援や規制枠組みを確保。
ナショナル・ウェルス・ファンドを設置し、公共投資を通じて民間投資を動員。同ファンドを通じ、次の議会期で73億ポンド(約1兆4,673億円、1ポンド=約201円)を投資。具体的には、港湾インフラの質の向上とサプライチェーンの構築、ギガファクトリーの新設、鉄鋼業の再建、炭素回収の導入、グリーン水素の製造支援に投資。
法人税、国民保険料の従業員負担分、所得税、VATの増税の可能性を排除。
保守党による内燃車の新車販売禁止の導入時期の後ろ倒しを撤回し、2030年に再設定(2023年9月22日記事参照)。
産業戦略を通じて人工知能(AI)開発やデータセンターの新設を支援。
雇用制度に関しては、事前に企業、労働者、市民団体などとも協議し、変更を推進。最低賃金についても、生活費の上昇を考慮したものに変更。

〇クリーンエネルギー

国営企業グレート・ブリティッシュ・エナジーを設立し、民間との共同投資やプロジェクトの支援などを通じ、クリーン電源の導入を推進。次の議会期中に83億ポンドを投資。
石油・ガス企業に対して導入されている超過利潤税を次の議会期末まで延長し、税率も現行の35%から38%に引き上げ。

〇国際関係の再構築

米国との関係は不可欠な同盟国で、2国間の特別な関係は安全保障や経済成長にとって重要。
EUとの関係を再構築。貿易、投資の関係を改善。ただし、単一市場や関税同盟、移動の自由への回帰は行わない。新たな安全保障協定の締結も志向。
中国に対しては、長期的かつ戦略的な手法で関係を管理。2国間関係の評価を行い、同国がもたらす機会と課題を理解し、対応するための英国の能力向上。

(山田恭之)

(英国)

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