大統領候補の政策的主張に国内外メディアが注目(モザンビーク)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月25日 16時10分
モザンビークの大統領と国会議員、州議会議員の選挙は10月9日に投票日を迎える。現在、国内では4人の大統領候補者を中心に、選挙運動が繰り広げられている。大統領選には、現政権与党のモザンビーク解放戦線(FRELIMO)、野党で国会に議席を持つモザンビーク民族抵抗運動(RENAMO)、モザンビーク民主運動(MDM)の主要3党がそれぞれ候補者を擁立している。これに加え、2023年の地方自治体選挙の際に民衆から絶大な支持を集めたベナンシオ・モンドラーネ氏(2024年1月22日記事参照)が無所属候補(注)として立候補している。
外国メディアは、今回の大統領候補が行う政策的主張に注目している。報道によると、FRELIMOから大統領選に出ているダニエル・シャポ候補を含む4人の全候補者は支持者集会などで、メガプロジェクトで企業と政府間の契約を見直し、再交渉することを主張する。天然ガス開発に代表されるメガプロジェクトは国外企業が主導することが多く、相対的に国家と国民への利益が少なくなるため、開発許可を得た企業との再交渉を通じて、利益構造の見直しを図るという主張だ。「エリア1」の天然ガス開発を主導するフランスのトタルエナジーズのパトリック・プヤンヌ最高経営責任者(CEO)は、大統領選を踏まえたモザンビーク国内政治の展望について、今回選出される新大統領がメガプロジェクトについて従来の政策を踏襲するか否かが重要な点だとしている(「ブルームバーグ」9月19日)。
他方、選挙戦で各候補が唱える政策的主張は、支持者の団結を促し、得票を伸ばすための方便だとする見解もある。一部の国内メディアは、候補者らは各地の演説で政策的主張を唱えるものの、裏付けと実現可能性については、一様に説明していないと指摘している(「モザンビーク情報局」2024年9月9日)。
(注)モンドラーネ氏は、当時所属していたRENAMOの党首立候補要件を満たさなかった(2024年5月27日記事参照)ため、同党を離党した。同氏は野党「モザンビーク発展のための楽観的な党」(PODEMOS、Optimistic Party for the Development of Mozambique)の後援を得ている。
(松永篤)
(モザンビーク)
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