パリで高級食品に特化した見本市「グルメセレクション」が開催(フランス、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月4日 0時45分
百貨店などで取り扱う高級食材を中心としたBtoB見本市の「グルメセレクション」が、9月15~16日の2日間、フランス・パリ市内のポルト・ド・ベルサイユのホール5で行われた。毎年9月に開催される本見本市は、2024年で11回目となり、主催者発表によると、今回は4,550人(2023年は約4,300人)が来場した。
2024年の302の出展者の内訳をみると、サラミ・ソーセージを中心とした畜産加工品、チョコレートやナッツなどを用いた菓子類、アルコール・ノンアルコールの飲料を取り扱う企業が多く出展した。IHコンロで加熱調理を行い、試食提供を行うブースもあった。そのほか少数ではあるが、包装材、食器などの出展もあった。
見本市会場内(ジェトロ撮影)
日本からは、マヨネーズ、冷凍総菜(弁当)、茶、米麹(こめこうじ)、わさびを主力商品とする5社が独自に出展した。それぞれのブースに多くの来場者が訪れて商品説明などを受けており、日本産食品への高い関心がうかがわれた。会期中に行われたコンテストのノンアルコール飲料部門では、柚子(ゆず)をベースにしたオーガニック飲料が受賞しており、日本の食材は脚光を浴びている。
主催者によると、アジアからの出展が少ないことや日本への注目度の高さから、日本からの出展ブースは総じて人気を集めているとのことだった。出展者からは、「比較的小規模なイベントで、出展者と来場者の距離が近く、顧客になる可能性の高い来場者に、より時間をかけて商品説明などを行うことができる」という声が聞かれた。
日本の出展者のブースに集まる来場者(ジェトロ撮影)
また、会場には20~30人程度を収容可能なワークショップや、講演などを行うスペースが2カ所設置され、会期中には当該スペースでのイベントが連続して企画された。ブースでの試食・試飲だけでなく、このスペースを用いた調理デモやセミナーを開催することで、まだフランス市場に流通していない魅力ある日本産食材の認知度の向上や、市場創出に活用できる可能性がある。
イベントスペース(主催者提供)
本見本市の取扱対象となる高級食材は、少量生産であっても希少性や付加価値への理解を訴求できる商材だ。日本からの出展者への関心の高さや、来場者への説明に時間をかけることができるという本見本市の特徴を踏まえると、新たに輸出に取り組む事業者においても出展を検討する候補となるだろう。次回は、2025年9月21~22日に開催される。
(鈴木康介)
(フランス、日本)
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