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サンルイスポトシ州、炭素税導入に関する減税インセンティブと運用規則を公布(メキシコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年2月10日 0時25分

メキシコの中央高原バヒオ地域のサンルイスポトシ州で、2025年1月1日から炭素税が導入された。2024年6月7日付の官報で州財政法を改正し、炭素税についての適用は当初2024年7月1日からだったが、6月28日付の官報で適用日を延期し、2025年1月1日からの開始とされていた(2024年7月2日記事参照)。それに伴い、サンルイスポトシ州は2024年12月31日に州財政法を改正し、適用期間を2025年12月31日までとする、炭素税にかかる減税インセンティブを制定した。具体的な内容は次のとおり。

〇サンルイスポトシ州に新設される企業に対し、炭素税の100%を上限とし、その相当額を減税する。

〇州財政法36TER条第11項に規定される企業・団体のうち、二酸化炭素(CO2)の排出量が1カ月あたり25トン以下の企業・団体に対して、炭素税を免除する。

〇炭素税の納税義務がある企業・団体のうち、二酸化炭素排出量が1カ月あたり25トンを超える者については、減税インセンティブとして州財政法36条第9項に定める軽減税率が適用される。概要は次のとおり。

1カ月あたり二酸化炭素排出量が26トンから10万トンとなる炭素税納税義務者に対し、排出量1トンあたりの税額を3.0UMA(注)から1.0UMAに軽減する。
1カ月あたり二酸化炭素排出量が10万1トンから25万トンとなる炭素税納税義務者に対し、排出量1トンあたりの税額を3.0UMAから0.5UMAに軽減する。
1カ月あたり二酸化炭素排出量が25万1トンから100万トンとなる炭素税納税義務者に対し、排出量1トンあたりの税額を3.0UMAから0.25UMAに軽減する。
1カ月あたり二酸化炭素排出量が100万トン超となる炭素税納税義務者に対し、排出量1トンあたりの税額を3.0UMAから0.10UMAに軽減する。

〇環境天然資源省が管轄する連邦環境保護局発行のクリーン産業証明書、および市民団体「慈善のためのメキシコセンター」が発行する社会的責任企業証明書を財務省歳入局長へ提出した納税者には、年次報告書に記載された炭素税に係る金額に対して、30%の減税インセンティブが与えられる。

〇インセンティブが付与され、炭素税の支払いがない場合でも、納税者による月次および年次の報告義務は残る。

なお、今回導入された炭素税は、2024年6月7日付の官報で改正された州財政法に基づく内容となるため、固定排出源からの直接排出のみが対象となることに変更はない。また、炭素税の計算方法や書類の提出方法などを定めた運営細則は、インセンティブの公表と同日の2024年12月31日に公布された。しかし、2025年2月5日にサンルイスポトシ州政府がゼネラルモーターズ(GM)と会合を開いたと報道があり、公布された環境税の計算方法と納付手続きについて意見交換したとされている(「エル・ソル・デ・サンルイス」2025年2月5日)。対象となる企業は、同運用規則における不明点がある場合、州政府へ直接確認することが推奨される。

(注)UMA(Unidad de Medida y Actualización)とは、罰金や社会保険料の計算などに用いる係数で、毎年インフレ率に応じて更新される。2024年時点のUMAは、113.14ペソ(約839円、1ペソ=約7.42円)。州財政法第36-7条では、1トンのCO2に対する税額は3UMAと定められている。

(阿部眞弘)

(メキシコ)

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