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韓国、2024年通年の輸出は過去最高を記録、貿易黒字も達成(韓国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月29日 0時35分

添付資料PDFファイル(155 KB)

韓国の関税庁は1月15日、2024年通年の輸出入統計(確定値)を発表した。輸出は前年比8.1%増の6,836億9,200万ドル、輸入は同1.6%減の6,321億ドルで、貿易収支は515億9,200万ドルの黒字となった(添付資料表1、2参照)。2022年と2023年の貿易収支は輸出の不振で赤字だったものの、2024年は輸出が過去最高額を記録し、黒字転換した。

産業通商資源部は、2024年の輸出が好調だった理由について、半導体を主とするIT品目や船舶、自動車などの主要輸出品目ほか、バイオヘルス、農林水産食品、化粧品などの消費財の輸出が好調だったことが要因とした(1月1日発表)。また、2024年は原油価格が低下し、エネルギー輸入額を抑えることができ、貿易黒字も同時に達成できたとした。

輸出を主要品目別でみると、電気・電子製品が前年比27.5%増の2,309億5,800万ドルだった。特に半導体が同42.8%増の1,437億6,900万ドルと大幅に増加した。その理由として、産業通商資源部は前述の発表資料で、第4四半期(10~12月)に汎用(はんよう)メモリーの価格が下落したにもかかわらず、次世代DRAMとして開発されたDDR5(注)やHBMメモリーなどの高付加価値品目を中心に、輸出が拡大したことを挙げた。また、情報通信機器は前年比17.4%増加し、そのうちコンピュータは同68.6%増だった。グローバル市場での人工知能(AI)関連需要の増加が情報通信技術(ICT)分野の輸出の過去最高額を記録した理由として挙げられる(業界紙「エネルギー経済」1月14日)。ほかにも、船舶が同17.7%増だった。

国・地域別では、米国(過去最高の1,277億ドル、同10.4%増)、カナダ(22.7%増)など北米が伸びた。東南アジア(18.4%増)も好調だった。中国(6.6%増)、日本(2.1%増)は1桁増だった。

輸入を主要品目別でみると、輸送機器(18.7%増)、金(2.3倍)など一部品目は増加したものの、乗用車(16.6%減)、化学品(14.4%減)、穀物(11.2%減)など、多くの品目が減少した。

国・地域別では、香港(23.2%増)、カナダ(10.6%増)、台湾(24.0%増)などは増加した一方で、CIS(34.2%減)、中南米(8.1%減)、EU(4.6%減)などは減少した。

産業通商資源部はさらに1月22日に、1月の輸出入動向と今後のリスクについて発表した。その中で、同部の朴成沢(パク・ソンテク)第1次官は「2024年は過去最高の輸出実績を上げたものの、2025年は、米国新政権発足によるグローバルサプライチェーンの急変により、特に上半期の輸出が厳しいと思われる。このような状況下、現在準備段階にある韓国政府の緊急輸出対策には、実効性のある対策が含まれなければならない」と強調した。

(注)DDR5メモリーとは、DRAMの規格の1つで、DDR4 SDRAMを改良した第5世代のDDR SDRAM規格。主にパソコンやサーバーのメインメモリーとして利用される。

(益森有祐実)

(韓国)

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