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G7プーリアサミット共同声明、中国の過剰生産能力に懸念表明(イタリア、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、EU、中国、ロシア、ウクライナ、イスラエル、アフリカ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月19日 11時55分

G7サミットが6月13~14日にイタリア・プーリアで開催され、最終日の14日にG7首脳の共同声明(コミュニケ)を発表した。コミュニケでは、ロシアのウクライナ侵攻や、イスラエルとハマスの衝突、インド太平洋地域などの世界情勢に対する認識、アフリカ諸国に対する支援、経済的強靭(きょうじん)性と経済安全保障、人工知能(AI)ガバナンスの取り組みの方向性など、幅広い内容を示した。主な内容は次のとおり。

ロシアのウクライナ侵攻:ウクライナに対する揺るぎない支援を必要とされる限り続けると再確認した。また、ロシアの侵略継続を支援する事業体に対する制裁措置を講じ続けるとした(注1)。
イスラエルとハマスの衝突:パレスチナ自治区ガザでの即時停戦、人質解放、人道支援を含む米国のジョー・バイデン大統領が発表した停戦協定案(2024年6月3日記事参照)や、同案に対する国連安保理決議(2024年6月13日記事参照)を支持することで一致した(注2)。
インド太平洋地域:同地域の平和と安定が世界の繁栄を促進するカギであり、同地域の発展が世界の安全保障に直接影響を与えるとして、その重要性を強調した。一方で、中国の非市場的政策や慣行が有害な過剰生産能力につながって、市場を歪(ゆが)め、G7各国の労働者や産業、経済的強靱性と安全保障を損なっていると懸念を示した。G7各国はデカップリングや内向き志向を企図しているわけではないとしつつ、必要かつ適切な場合には、サプライチェーンのデリスキング(リスク軽減)と多元化に取り組み、経済的威圧に対する回復力を強化するとした。また、競争条件を平準化し、損害を是正するために、必要かつ適切な行動を取り続けるとした。
アフリカ諸国:持続可能な発展などの取り組みで支援強化を約束するとして、財政支援を継続的に行うほか、民間投資を促進するなどとした(2024年6月17日記事参照)。一方で、開発途上国の債務問題に触れ、国際社会に対して持続可能で透明性の高い融資を行うよう求めた。
経済的強靭性と経済安全保障:G7内外のパートナーや民間セクターと協力し、サプライチェーンの多元化を促進する取り組みを強化するとした。また、非市場的政策や慣行が有害な過剰生産能力などにつながっているかを評価するために、G7各国が共同でモニタリングを行い、情報交換しつつ対応を協議するとした。さらに、デュアルユース(軍民両用)の重要・新興技術を保護するとして、輸出管理や投資審査などの経済安全保障の規制手法が技術の発展に柔軟に対応することを確かにするとした。
AI(人工知能)ガバナンス:そのアプローチがG7各国間で異なる可能性があるとした上で、相互運用性の向上を強化するとした(2024年6月18日記事参照)。

米国ホワイトハウスは同日にG7サミットに関するファクトシートを公表した。その中で、中国の不公正な政策や慣行が太陽光発電や風力発電、電気自動車(EV)、リチウムイオンバッテリー、医療機器、成熟ノード半導体、鉄鋼、アルミニウムなどの分野で、有害な過剰生産能力につながり、国際的に影響を及ぼしているとして、具体的な懸念分野を示している。

(注1)ウクライナ情勢に関してはジェトロの特集を参照。なお、米国はG7サミット開催前日の6月12日に300以上の事業体などに対する大規模な金融制裁を発表している(2024年6月13日記事参照)。

(注2)イスラエルとハマスの衝突に関してはジェトロの特集を参照。

(葛西泰介)

(イタリア、日本、米国、英国、フランス、ドイツ、カナダ、EU、中国、ロシア、ウクライナ、イスラエル、アフリカ)

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