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欧州環境庁、EUの2023年のGHG排出量削減進むも、継続的な取り組み求める(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月18日 0時50分

欧州環境庁(EEA)は10月31日、EUの2023年の温室効果ガス(GHG)排出量は2022年比で8.0%減、1990年比では37.0%減となったとする年次報告書を発表した(プレスリリース)。産業別にみると、原子力、水力、風力、太陽光の利用拡大に伴ってエネルギー供給部門の排出削減が進んだ。また、エネルギーの消費方法の変化に伴い、工業と建築分野の排出量も減少した。一方で、2030年までの削減予測は1990年比で43%にとどまり、中間目標の55%削減(2024年2月14日記事参照)を下回る。EU加盟各国による持続的な排出削減努力が必要で、国家エネルギー・気候計画(NECP、2024年7月9日記事参照)の策定と更新が重要な役割を果たすとした。

欧州委員会は9月11日、「エネルギー同盟と気候変動対策のガバナンスに関する規則」の評価(プレスリリース)で、エネルギーや気候変動の対策目標を達成するには、目標との乖離を是正し、加盟国のアプローチをそろえる必要があるとした。NECPは、グリーンへの移行を推進するため、官民双方の投資拡大を必要とし、投資の必要性と資金源を明確にし、投資促進に向けたデータを提供すべきとした。また、気候変動対策の進捗報告が不足しており、脱炭素化が必要な産業や運輸、建物など産業別の特徴を考慮していない点も指摘した。このほか、欧州気候法や産業別の政策は、計画の提出期限や適切な報告、効果的な実施が必要で、コンプライアンスの強化を要するとした。最後に、中長期的なエネルギーと気候変動目標の達成には、加盟国間、地域・地方当局、産業界、金融セクター、市民による関与と協力関係の強化が必要と言及し、情報共有や技術支援、エネルギー転換に必要なインフラ構築プロジェクトなど、国を越えた共同作業が必要とした。

(大中登紀子)

(EU)

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