中銀、利下げサイクルを停止、10.5%に据え置く(ブラジル)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月25日 0時15分
6月19日に開催されたブラジル中央銀行の金融政策委員会(Copom)は全会一致で、政策金利(Selic)を10.5%に据え置くことを決定した。これは、2023年8月から始まった利下げサイクルを中断するかたちとなり、市場の予想どおりの結果だった。
今回のCopomは、政府と中銀の間の緊張が高まる中で行われた。6月18日のCBNインタビューで、ルイス・イナシオ・ルーラ・ダ・シルバ大統領はさらなる利下げを求める発言をしていた。しかし、Copomは世界的な経済情勢とインフレ圧力の継続、国内の財政目標への疑念を理由に、慎重を期す必要があると述べ、金利を据え置く決定をした。Copomの声明は、国内と国際的な状況を考慮し、現状では「静観と節度」が要求されると述べている。
Selicは現在、2022年2月以来の最低水準となっており、市場では、2024年末まで10.5%で維持されると予測されている。6月14日付の中銀週次レポート「フォーカス」(注)では、年末のインフレ率が3.96%に達すると見込んでいる。また、2025年末のSelicは9.5%、インフレ率は3.83%になると予測している。経済成長率については、2024年は2.08%まで微増し、2025年以降も2%の成長が予測されている。対ドルの為替レートについては、2024年末には1ドルが5.13レアルとなる見通しだ。
今後も中銀の政策動向が注目される中、インフレ抑制と経済安定化のための適切な対応が求められそうだ。
(注)フォーカスは、中銀がブラジル国内100機関以上の金融機関を対象に行った予測をアンケートでまとめたもの。毎週金曜日の集計を基に平均値を算出し、翌週の月曜日に公表される。
(中山貴弘)
(ブラジル)
この記事に関連するニュース
ランキング
-
1来月の日欧の共同訓練批判=ロシア
時事通信 / 2024年6月29日 16時21分
-
2米民主党はバイデン氏の交代検討を 独高官
AFPBB News / 2024年6月29日 16時39分
-
3ウクライナ、クリミアのロシア宇宙通信施設を破壊 軍が今週攻撃
ロイター / 2024年6月29日 1時28分
-
4ニュース裏表 峯村健司 「露朝条約」にいらだち募らせる中国、三角関係に〝きしみ〟プーチン氏の訪朝、東アジアの国際秩序に地殻変動もたらす
zakzak by夕刊フジ / 2024年6月29日 10時0分
-
5「中国強くなれば世界平和に」=新興国との連帯強調―習主席
時事通信 / 2024年6月28日 17時22分
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)
記事ミッション中・・・
記事にリアクションする
![](/pc/img/mission/point-loading.png)
エラーが発生しました
ページを再読み込みして
ください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)