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パウエル米FRB議長がジャクソン・ホール会議で講演、「金融政策を調整すべき時が来た」と発言(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月26日 11時30分

米国連邦準備制度理事会(FRB)のジェローム・パウエル議長は8月23日、カンザスシティー連銀が主催するジャクソン・ホール会議で講演した。市場から注目されている今後の金融政策の見通しのほか、2024年の会議のテーマである「金融政策の有効性と伝達の再評価」に沿って、失業率が低いままでインフレ率の低下に成功しつつある理由など新型コロナウイルスのパンデミック以降の一連の取り組みから得られた教訓について述べた。

講演では、まず米国経済の現状および今後の短期的な金融政策の見通しについて述べた。インフレ率に関しては、「過去3年間の大部分でFRBが目標とする2%を大きく上回っており、人々に今日まで残るストレスと不公平感を引き起こした」と述べつつ、FRBが実施してきた引き締め的な金融政策により、現在は「目標にかなり近づき、2%に向けて持続的な軌道に乗っているとの自信は高まっている」との認識を示した。労働市場については、失業率が7月に4.3%まで上昇したことや雇用の伸びが鈍化していること、求人数が減少し求職者に対する求人者の比率がパンデミック前の水準に戻っていることなどを挙げ「以前の過熱状態からかなり冷え込んでいる」とし、「労働市場がインフレ上昇圧力の要因となる可能性は低く、労働市場がさらに冷え込むことを求めたり、歓迎したりはしない」との認識を示した。こうした認識の下、「インフレに関する上振れリスクは減少し、雇用に関する下振れリスクは増加している」として、今後の金融政策を「調整する時が来た。進むべき方向は明確であり、利下げのタイミングとペースは、今後発表されるデータ、変化する見通し、リスクのバランスによって左右される」との見解を示した。8月21日に公表された7月の連邦公開市場委員会(FOMC)議事録では、9月利下げについて多くの参加者が支持していることが明らかとなっており、こうした見方が補強されたかたちだ。

パウエル議長は、パンデミック以降の教訓として、(1)パンデミックによる需給のゆがみの回復、(2)金融引き締めによる総需要の抑制に向けた努力、(3)インフレ期待の固定が相まって効果を発揮した結果、労働市場の大幅な減速を伴わずにインフレ率の低下に成功したとの見解を述べた。中でも、中央銀行が徐々にインフレ率を2%に戻すという国民の信頼が重要で、その信頼は数十年にわたって築かれ、強化されてきたと強調した。

(加藤翔一)

(米国)

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