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サウジアラビアで第3回EVオートショー2024が開催(サウジアラビア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月25日 10時15分

2024年9月17日から19日までの3日間、サウジアラビアの首都リヤドで第3回EVオートショー2024が開催された。同イベントは、国家改革戦略「ビジョン2030」と交通分野における持続可能な未来に関与するべく電気自動車(EV)分野、クリーンエネルギーへの移行に焦点を当てたもの。展示会には国内外から約70社の関連企業が出展したほか、同時開催されたテーマ別カンファレンスでは、約60人の専門家がEV産業の動向、最新の電気自動車技術、バッテリー、再生可能エネルギーの最新開発など幅広い分野で議論した。

カンファレンスにおける主要テーマの1つである、サウジアラビア国内自動車市場におけるEV導入状況については、「徐々に進んでいるものの、大量には至っていない」との見方でおおむね一致した。その理由として、2024年春に新規市場参入した中国EV大手の比亜迪(BYD)現地法人のハッサン・ナーギス社長は、充電インフラの不足に加え、中古車両の買い取り価格情報の不足、車体への信頼と保証期間などへの理解不足があることを指摘した。他方、大手コンサルタントのアトキンス・リアリスのジョナサン・スピア交通政策戦略アドバイザーも主要課題として、充電インフラ拡充の必要性に加えて、バッテリーコストによる高額な車両価格をあげた。

今後、EVの普及を加速するには、環境規制の導入やインセンティブ供与の必要性を指摘する専門家の声が多かった。上述したスピア氏が適切な政策、法律、国内規制が重要と繰り返し発言したほか、国内で充電施設を展開するエレクトロミンのトニー・マッツォーネ社長も自社の取り組みを紹介しつつ、EV充電インフラ整備のさらなる促進には、政府の支援が重要であることを強調した。

車両価格については、大手コンサルタントPWCパートナーのヘイコ・セイツ氏が、今後車両価格が欧州並みに下がる可能性を指摘した。同氏は向こう3年の間にサウジアラビア人の4割以上がEV購入を考慮するとの自社レポートの結果を紹介しつつ、サウジアラビア国民が次回購入時にいずれの自動車を選ぶかで、EV普及速度は大きく変化しうるとの見方を示した。

写真 カンファレンスの様子(ジェトロ撮影)

カンファレンスの様子(ジェトロ撮影)

(秋山士郎)

(サウジアラビア)

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