日本のインテリアブランドAREA、米ニューヨーク・マンハッタンに旗艦店を開業、世界展開を加速(米国、日本)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月23日 0時5分
日本のインテリアブランドのエリア(AREA)が2024年6月、米国ニューヨーク市に「AREA New York本店」をオープンした。出店場所はマンハッタンの中でも、世界を代表するインテリアブランドが多くの店舗を構えるミッドタウン地区マディソンアベニュー沿い。オープンから約4カ月が経過した10月3日、これまでの反応やニューヨーク出店の狙いなどをジェネラルマネージャーの江口将人氏に聞いた。
同氏によると、現在は通りがかった人がふと目を止めて来店するケースが多く、集客が次の課題となっているという。また、「当初の想定どおりだが、立ち上げは容易でない。地域に根差したプロモーションを行うことで、ブランドの認知を向上させることが必要だ」と語った。
(左写真)ショールーム入り口、(右写真)さまざまな作品が並ぶ店内(ともにエリア提供)
エリアは独自の哲学のもと、歴史考証から日本文化をひも解いて、独創的な家具デザインへと昇華させることで知られる高級インテリアブランドだ。ニューヨーク本店では、日本にいる熟練職人の手によって作られた家具をはじめとした伝統工芸品、アート作品を販売するほか、オーダーメイドも受け付けている。
2003年に湘南で創業した同社は現在、日本国内は鎌倉、青山、大阪の3店舗を構えており、海外進出はパリに続いてニューヨークが2店舗目。ニューヨークは、同ブランドの世界的な旗艦店と位置づけており、将来的にはニューヨーク市場のトレンドや顧客の反応を取り込み、商品デザインなどへ適用していく構想だ。
エリアはニューヨーク本店の開業以来、一般顧客のブランド認知を高めるため、ショールームを利用したさまざまなイベントを行い、電子商取引(EC)サイトの制作などを進めてきた。今後は業界関係者からの認知向上を目的に、展示会出展や広告出稿などのプロモーションも積極的に実施していくという。
江口氏によると、ニューヨークでのビジネスがある程度軌道に乗れば、西海岸など米国内の他地域への展開も検討していくという。中長期計画としては、フランス、米国以外の国にも出店し、日本発の高級家具ブランドとして、世界的な知名度を確立することを目指す。
(左写真)浮世絵アートのディスプレイ、(右写真)伝統工芸品のディスプレイ(ともにジェトロ撮影)
江口氏は「エリアは『愛ある居場所づくり』をコンセプトにしており、日本では家具を提案するだけではなく、ドアなど建具も含めた空間全体を提案できることを強みとしている。ニューヨーク市場でも今後、こうした強みを生かしたオーダーメイドの展開などで、日本発の高級家具ブランドとして存在感を高めていきたい」と意気込みを語った。
(堀田基、吉田佳那)
(米国、日本)
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