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シンガポールの小売りや飲食店、コスト増や競争激化に直面(シンガポール)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月12日 1時5分

添付資料PDFファイル(189 KB)

シンガポールの飲食店や小売店を取り巻く経営環境が、人件費や賃料などのコスト増や競争の激化などにより、厳しさを増している。経営環境の悪化に伴い、企業の清算件数が増加している。シンガポール統計局によると、2024年1~9月の小売り部門の企業清算は5,014社と、前年同期比18.9%増加した。また、同時期の飲食サービス部門の企業清算は2,465社で、22.8%増だった(添付資料図1参照)。

英国の不動産コンサルタント会社ナイト・フランクのシンガポール小売りレポートによると、シンガポールの高級商業スペースの2024年第3四半期(7~9月)の平均賃料は1平方フィート当たり月27.4シンガポール・ドル(約3,151円、Sドル、1Sドル=約115円)と、前年同期比2.7%増加した。特に都心部の繁華街オーチャード地域の高級商業スペースの平均賃料は同時期に30.7Sドルで、2.6%増だった。また、人材を巡っては、人材省が10月29日に発表した2024年第3四半期の雇用統計によると、同国の失業率は同四半期に1.8%(速報値)と、雇用市場がタイトな状況が続いている。

大手飲食チェーンの経営環境も厳しい。シンガポール取引所(SGX)上場の地場大手中華レストランチェーンのトン・ロク・レストランは10月25日、2024年度上期(4~9月)決算で純損失を計上するとの見通しを明らかにした。また、SGX上場の日本食チェーン運営会社ジャパン・フーズ・ホールディングスも同日、減価償却費や人件費、光熱費などの負担増に伴い、上期決算は損失の見込みと発表した。

中国飲食チェーン出店攻勢、加速

一方、小売店や飲食チェーンの新規進出が相次いでいる。統計局によると、2024年1~9月の小売り部門の新規設立企業数は前年同期比4.1%増の4,797社だった(添付資料図2参照)。同時期の飲食サービス部門の新規設立企業数は2,937社で、4.6%増加した。特に近年、中国の大手飲食チェーンの進出が目立つ。「ビジネス・タイムズ」紙(2024年7月23日付)が地場コンサルタント会社モメンタム・ワークスの調査として伝えたところによると、シンガポールには2024年6月時点で、中国の32の飲食チェーンが184店舗を運営しており、この約9割が新型コロナウイルス流行以降の出店だった。中国のコーヒーチェーン、ラッキン・コーヒーの場合、2024年3月にシンガポール初出店後、1年間で店舗数を32店舗まで拡大した。

(本田智津絵)

(シンガポール)

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