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人材問題のカギを握る技術・職業教育訓練(TVET)、JACTIMが連携も(マレーシア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月25日 1時30分

添付資料PDFファイル(313 KB)

マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)は11月、マレーシアの技術・職業教育訓練(TVET)に関する報告書を取りまとめ、会員向けに公開した。同報告書によれば、TVETの網羅分野とレベルがともに非常に幅広く、日本企業の人材確保に当たっては、同機関との協力による人材育成を図りながらの連携が重要と考えられる。

マレーシアにおける人材不足および質向上は、産業界にとって最大の課題だ(2024年3月21日付地域・分析レポート参照)。この点、人材を輩出すべく設立されたTVETは全国に1,345あり、管轄省庁は12にまたがる(添付資料参照)。統一指針がないまま縦割りで運営されていたことが課題とされ、2025年国家予算案で75億リンギ(約2,625億円、1リンギ=約35円)を充当し、アフマド・ザヒド・ハミディ副首相率いるTVET評議会が改革を進めている。改革では、進学先としてのTVETのリブランディング、教育水準やカリキュラムの向上、産業界との連携、といった成果が期待される。

日本企業の人材確保に向け、JACTIMは2023年から2024年前半にかけ、マレーシア生産性公社(MPC)、上級技術訓練センター、各地ポリテクニックなどを訪問、またTVETとの連携実績がある日本企業の事例を収集するなど、TVETの実態に基づく連携強化の可能性を探った。

ポリテクニックやアドテックとの連携に可能性、JACTIM通したアプローチも

JACTIMが調査を行った施設の中には、実践的な訓練を謳いつつも、カリキュラムが初歩的な内容にとどまるケースもあった。従って実際には、TVETの中でも、高水準の教育を行う高等教育省傘下のポリテクニック(36機関)や人的資源省傘下のアドテック(8機関)などが日本企業にとっての連携対象になり得ると、報告書は提言した。

その上で、具体的な連携形態として報告書は、インターンシップや企業による特別講座、ジョブフェアを挙げた。中でもインターンシップは、企業と学生の双方に評価・判断の機会を与えられる。また特別講座については、既存カリキュラムとは別に、企業ニーズに即した内容を企業からの講師派遣によって行う方法が提案された。ジョブフェアについても、学生に企業情報が不足している現状から、十分な効果が期待されるとも指摘した。

TVETと連携する場合、対象機関を抽出し、当該機関と個別協議を行う必要があるが、TVET官民連携評議会(GITC)に産業界の一員として参画するJACTIMが橋渡しを行うことが可能だ。GITCが、就職斡旋(あっせん)やインターンシップなどの計画を打ち出す中、JACTIMはGITCを通じて日系企業の要望を発信する機能を担っている。

(吾郷伊都子)

(マレーシア)

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