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米USTR、中小零細企業に対する貿易と通商政策の影響調査を要請(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月9日 0時25分

米国通商代表部(USTR)は12月27日、米国国際貿易委員会(ITC)に対し、米国の中小零細企業に対する財・サービス貿易、通商政策の分布効果に関する調査実施を要請したと発表した。調査は人種や民族、性別、性自認や性的指向、年齢、技能、賃金、収入、障害、農村地域などといった要因に基づき、サービスや支援が十分に提供されていない地域に属する人によって所有、または運営されている企業に焦点を当てる。

今回の調査は、1930年関税法332条に基づいて行われる。ITCは同法に基づき、関税や貿易に関するあらゆるテーマについて調査を行う権限が与えられている。調査はUSTRのほか、大統領や上院財政委員会、下院歳入委員会(注)から要請があった場合に開始できるほか、ITCが独自に始めることもできる。調査期間はITCが独自に定められるが、法律に基づいて要請者から指定されることもある。調査結果は要請者に提出され、安全保障上の理由がない限り、通常は一般に公開される。なお、ITCは調査結果に基づく勧告などは行わない。最近では、歳入委員会のジェイソン・スミス委員長(共和党、ミズーリ州)の要請に基づき、コメに関する国際競争力と貿易、米国産業への影響調査を2024年2月に開始した(2024年2月29日記事参照)。

USTRがITCに調査開始を要請した書簡によると、調査結果には、中小零細企業が貿易で成功した際の主要な競争要因と貿易への参入を妨げる主要な課題や障害の分析、中小零細企業の貿易の成功事例と課題のケーススタディーなどを含めることが求められている。

USTRは今回の調査と調査で得られたデータの分析により、経済安全保障の促進や、適切な労働支援、米国の中小零細企業の健全性と安全性の向上に貢献する通商政策をより効果的に策定できるようになると述べている。なお、USTRは今回の調査期間を書簡の送付日から24カ月以内としているため、ITCは2026年末までに調査を終える必要がある。そのため、調査結果はトランプ次期政権下で報告される。関税率引き上げなどを通商政策の中心に据えるトランプ政権下で、この調査結果がどのように活用されるか注目される。

(注)連邦議会で上院の財政委員会と下院の歳入委員会が通商を所管する。

(赤平大寿)

(米国)

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