トランプ米政権、対外援助の一時停止を発表、ウクライナ支援や開発支援に影響(米国、ウクライナ)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月28日 11時20分
米国国務省は1月26日、ドナルド・トランプ大統領の大統領令に基づき、米国の対外援助プログラムの実施を一時停止し、「米国第一主義の外交政策」(注)との整合性を検証すると発表した。
トランプ氏は1月20日、対外援助の一時停止と検証を関係省庁に指示する大統領令を発令した。同大統領令では、既存の米国の対外援助プログラムについて「世界の平和を不安定化させる役割を果たしている」と問題視し、関係省庁に対し、(1)全てのプログラムの実施を90日間停止する、(2)停止中に各プログラムと「米国第一主義の外交政策」との整合性を検証する、(3)検証結果に従って、各プログラムの継続、修正、中止を判断することなどを指示していた。
今回の国務省の発表では、国務省と米国国際開発庁(USAID)が資金提供を行っている全ての対外援助プログラムが一時停止・検証の対象としており、米国のウクライナ支援や、経済開発支援、人道支援、平和構築、保健など、幅広い分野のプログラムへの影響が想定される。ただし、イスラエルとエジプトに対する一部のプログラムへの支出は継続する(米国政治専門紙「ポリティコ」1月24日)。国務省のタミー・ブルース報道官は発表の中で「トランプ大統領は、国民に何の見返りももたらさないまま、盲目的に資金を支出することを止めると明確に述べた。勤勉な納税者に代わって対外援助を検証・再編することは、正しいだけではなく、道義的にも必須のことだ」と述べた。
なお、OECD開発援助委員会(DAC)によると、米国は世界最大のODA支出国で、2023年の支出総額(約647億ドル)は、DACメンバー国・地域全体の29%を占める。
(注)トランプ大統領は1月20日、米国第一主義の外交政策に関する大統領令を発令した(2025年1月23日記事参照)。
(葛西泰介)
(米国、ウクライナ)
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