中国ウィーライド、米カリフォルニア州で無人自動運転サービス実証事業許可を取得、米国上場も視野に(米国、中国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月21日 0時35分
米国カリフォルニア州公益事業委員会(CPUC)は8月2日、中国の自動運転技術開発スタートアップのウィーライド(WeRide)に対し、乗客を乗せた無人の自動運転車(AV)の試験運転を行う許可を与えたと発表した。
ウィーライドは2017年、百度の自動運転部門でチーフサイエンティストを務めたトニー・ハン氏によって設立された。同社は現在、中国と米国、アラブ首長国連邦(UAE)、シンガポールで無人運転の許可を保有しており、7カ国30都市で自動運転レベル2~4の自動運転技術(注)の開発、試験、研究開発、運行を行っている。また、広州の本社のほか、北京、上海、深セン、サンノゼ、アブダビ、シンガポール、シュツットガルトなどに拠点を持つ。同社はルノー・日産・三菱アライアンスや、宇通グループ、広州汽車(GAC)グループ、ボッシュとも戦略的協業関係にある。
CPUCから今回取得した許可により、同社は乗客を乗せた無人AVの試験走行を、公道で運転手が同乗する場合としない場合の両方で行うが、実証事業の実施期間中、乗車料金は発生しない。また、同社は2021年4月にカリフォルニア州運輸局(DMV)から乗客なしの無人運転車の試験運行許可を取得している。CPUCは、ウィーライドが12台の稼働中の車両を有し、サンノゼとその周辺地域で試験運行を行う予定だと述べている(ロイター8月13日)。
また、ウィーライドはナスダック上場を予定していると、複数のメディアが報じている。米国政府による中国企業への輸出規制が強化され、先端半導体や最先端自動運転ソフトウエアへのアクセス制限や輸出禁止措置の影響を受ける可能性がある中、同社の米国市場戦略が注目される。
(注)自動車技術者協会(SAE)が定義する自動運転のレベル。レベル2は「部分運転自動化」で前後と左右の監視・対応をシステムが担うが、自動運転の主体は人。レベル3では、限定された領域内でシステムが原則として全ての運転タスクを実施するが、作動継続が困難となる場合、ドライバーが適切な対応をする必要がある。レベル4では、限定された領域内で加速・操舵(そうだ)・制動を全てシステムが行い、ドライバーが全く関与しない状態での走行が可能。
(松井美樹)
(米国、中国)
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