米EVメーカーのテスラの第3四半期決算、当期純利益は前年同期比16.2%増(米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月25日 13時20分
米国の電気自動車(EV)メーカーのテスラは10月23日、2024年第3四半期(7~9月)の決算を発表した。売上高、利益とも前年同期を上回った。
第3四半期の売上高は前年同期比7.8%増の252億ドル、当期純利益は16.2%増の22億ドルとなった。また、収益力などを示す営業利益率は10.8%と前年同期比3.2ポイント上昇した。今回の決算発表を受け、テスラの株価は23日の時間外取引で12%上昇した。
同社売上高の8割を占める自動車部門は、販売台数の増加(世界販売台数は前年同期比6.4%増の46万台)を受けて、前年同期比2.0%増の200億ドルに増加(米国の販売台数は2024年10月8日記事参照)。そのうち、環境規制の順守に伴い、他社との売買などから得たクレジット収入は33.4%増の7億ドルに伸び、同部門の増加分の約5割を支えたが、その分を差し引いても自動車部門は1.1%の増加となった。売上高の約9%を占めるエネルギー部門は52.4%増と大幅に増加した。売上原価に関しては、自動車、エネルギー部門ともに増加し、全体で5.3%増となったが、研究開発費、販管費などの費用が減少したことから、営業利益は54.0%増の27億ドルに増加した。
イーロン・マスク最高経営責任者(CEO)は株主に向けた説明の中で、「私の知る限り、EV部門で利益を上げている企業はない。自動車業界が非常に厳しい環境にあるにもかかわらず、テスラが利益を上げていることは注目に値する」と述べた。同社は2024年の世界販売台数を180万台強と予想しており、2023年よりわずかに改善するとみている(注1)。また2025年に関しては、「不可抗力による押し下げはあるかもしれないが、大まかにいって、価格の低下や自動化にともない、20~30%は増加するはずだ」との楽観的な見方を示した。また、自動運転技術に関しては、10月10日に発表したロボタクシー「サイバーキャップ」の量産を2026年に開始(2024年10月15日記事参照)する予定で、少なくとも年間200万台、最大で400万台の生産を目指すと語った。そのほかEV関連では、4680型バッテリー(注2)に注力し、蓄電などでの大容量の需要に対応すると述べた。
(注1)2023年決算報告によると、同年の世界販売台数は180万8,581台だった。
(注2)直径46ミリメートル、長さ80ミリメートルの円筒型リチウムイオンバッテリー。従来の2170型に比べてエネルギー容量が大きい。
(大原典子)
(米国)
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