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欧州産業界、トランプ氏にEUとの関係強化を提言(EU、米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年11月18日 0時55分

ビジネスヨーロッパ(欧州産業連盟)は11月6日、米国大統領選挙を受け(2024年11月7日記事参照)、声明を発表した(プレスリリース)。勝利した共和党のドナルド・トランプ前大統領に祝意を表し、EU・米国関係の重要性を強調した。

ビジネスヨーロッパによると、EU企業による米国での投資額は約2兆4,000億ドルに上り、340万人以上の雇用を創出している。経済的な結びつきだけではなく、民主主義や法の支配を擁護し、地政学的な課題への対応について見解を共有しているとし、開かれた対話と協力深化に向けた前向きな課題設定を要請した。ビジネスヨーロッパは米国の次期政権と協力し、EU・米国双方の経済成長や投資、雇用促進に向けた具体的な解決策を見いだす準備ができているとした。

なお、ビジネスヨーロッパは9月に発表したEU新体制への通商分野における政策提言書でも対米関係に言及し、優先課題として一定の成果があったEU米国貿易技術評議会(2024年4月11日記事参照)の継続や、鉄鋼・アルミニウム製品への関税問題(2024年1月4日記事参照)の恒久的解決などを挙げている。また、米国の通商姿勢は過去8年間で根本的に変容し、対中姿勢は今後も変わらないだろうと指摘し、EUとしては共通の課題への取り組みについて、米国議会と政府の理解を深める努力をしていくべきだと主張していた。

また、情報通信技術(ICT)関連産業団体のデジタルヨーロッパも11月7日、声明を発表し、トランプ氏がEUと「対立」ではなく「協力関係」を選ぶことを期待すると述べた(プレスリリース)。協力を進めるべき分野として、サイバーセキュリティーや人工知能(AI)、第6世代移動通信システム(6G)、グリーンテックを挙げ、デュアルユース品目や重要技術に関する協議の場の創設などを提言した。また、米国の選挙結果を受け、EUは強靭(じん)性を高め、自立する必要があると述べ、産業競争力強化やデジタル技術活用を推進すべきだとした。

(滝澤祥子)

(EU、米国)

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