プーチン大統領、米国によるロシア資産接収への対抗措置打ち出す(ロシア、米国)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月3日 0時0分
ロシアのウラジーミル・プーチン大統領は5月23日、ロシア国内にある米国資産の接収を可能にする大統領令第442号「米国による非友好的措置によりロシア連邦およびロシア連邦中央銀行が被る損害の補償の特別手続きについて」(5月23日付)に署名した。米国が米国内で凍結しているロシア資産を接収し、ウクライナ支援に活用(2024年4月25日記事参照)した場合に備えての対抗措置となる。
同大統領令は、米国政府または裁判所(以下、米国側)の決定によってロシア政府またはロシア中央銀行(以下、ロシア側)に損害が生じた際に、ロシア政府がその補償のための特別な措置を講じると定めるとともに、ロシア側の財産に対する権利が不当にはく奪された場合に同措置が適用されるものとしている。また、ロシア側は、米国内に持つ資産が接収され損害が生じた際に、ロシアの裁判所に対して米国側が不当にロシアの資産を接収した根拠の提出、損害額の概算を含む補償の申し立てを行う権利があると規定した。裁判所は申し立てを検討し、補償措置を取るかロシア側の訴えを退けるかを判断する。
ロシアの裁判所が、米国側によるロシア資産の接収の根拠が薄弱と判断した場合、裁判所はロシア連邦政府外国投資管理委員会に対し、補償に活用し得るロシア国内の米国資産の一覧を提出するよう要請する。対象となり得るロシア国内の米国の資産は、a.全ての動産、不動産、b.株式およびロシア法人の持ち分、c.その他の所有権としており、企業や個人(注)が所有するものを含む。
ロシア政府は今後、4カ月以内をめどに大統領令に定められた措置を実現するための法整備を行う。ロシアの在外凍結資産のウクライナ支援への活用はEUやG7の場でも議論されており(2024年5月27日記事参照)、今後の動向によっては米国以外の資産にも範囲が拡大するとみられる(RBK5月23日)。
(注)米国籍者のほか、米国居住者、米国を主たる事業対象地とする者、主として米国から所得を得ている者など多岐にわたる。
(欧州課)
(ロシア、米国)
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