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与党連合、上院改選で後退も圧倒的多数を維持(チェコ)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月4日 0時20分

添付資料PDFファイル(106 KB)

チェコ上院の議席(81議席)の3分の1の改選が9月20、21日(第1回投票)と、27、28日(第2回投票)に実施され(注1)、下院最大野党のANO2011(ANO)が8議席を獲得し、同じ会派に属する社会民主党(SOCDEM、下院に議席を持たない)と合わせた議席数を6から13に増やした。一方、与党連合のペトル・フィアラ首相率いる市民民主党(ODS)、TOP 09、キリスト教民主連合=チェコスロバキア人民党(KDU=CSL)から成るSPOLU(中道右派3党連合)、市町村長・無所属候補者連合(STAN)、海賊党(注2)の下院連立与党5党は合計8議席を失った。改選後の議席数は、野党勢力が議席を拡大したものの、与党連合が64議席を確保し圧倒的多数を維持している(添付資料表参照)(注3)。

また、上院改選第1回投票と同時に実施された州議会選挙では、ANOが圧勝した。全685議席中292を占め、選挙が行われたプラハ以外の13州のうち10州で第1党となった。

投票率は上院改選の第1回投票が30.47%、第2回投票が17.54%、州議会選挙が32.91%で、いずれも過去の選挙並みだった。

6月の欧州議会(2024年6月12日記事参照)に続き、今回の上院改選、州議会選挙でも大敗を喫したのは与党・海賊党だ。上院改選では1議席を失い、州議会選挙では前回の91議席から3議席に減らしている。同党のイバン・バルトシュ党首(地方開発相兼デジタル化担当副首相)は、選挙結果を受けて、自身を含む党幹部が辞任する意向を9月22日に表明した。また、24日にはペトル・フィアラ首相が「(バルトシュ氏がデジタル化推進策として7月に導入した)建設許可取得プロセスのデジタル化完遂の失敗」を理由に同相の解任を大統領に提案すると発表、30日にペトル・パベル大統領が解任した。同日、海賊党は与党を離脱する旨を決定している。

(注1)上院(81議席)の3分の1の議席改選は2年ごとに実施される。第1回投票で当該選挙区において得票率50%以上の候補者がいた場合はその候補者が当選、いない場合には得票率上位2候補の間で第2回投票が行われる。

(注2)下院ではSTANとともに与党の一角を占めるが、上院では下院に議席を持たない小政党「セネター21」と会派を構成している。

(注3)選挙結果はチェコ統計局が発表済みだが、政党別議席数については日本時間10月1日時点で公的機関による発表がないため、チェコテレビの報道に基づく。

(中川圭子)

(チェコ)

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