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EU、アルジェリアの輸入制限に紛争解決手続き開始(アルジェリア、EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年6月24日 1時30分

欧州委員会は6月14日、アルジェリアに対し、EUの輸出および投資に対するアルジェリアの規制の撤廃に向けて、EU・アルジェリア連合協定に基づく紛争解決手続きを開始したと発表した(6月14日付プレスリリース)。

EU・アルジェリア連合協定は2005年9月に発効した。貿易を含むあらゆる分野におけるEUとアルジェリアの協力の枠組みを定めた同協定に基づき、双方の貿易・投資を自由化した。EUはアルジェリアにとって、2023年に貿易額の約50.6%を占める最大の貿易相手だ。

しかし、アルジェリア政府は国内産業保護や貿易赤字解消を目的に、高関税率や諸税の適用を進めており、農産物、自動車(2022年11月24日記事参照)など、複数の分野において貿易制限の影響を受け、EUからアルジェリアへの輸出総額は2015年の223億ユーロから2023年には149億ユーロにまで落ち込んだ。今回、EUは輸入禁止と同等の効果を持つ輸入許可制度など、EUを含む外国からの産品に対し2021年以降に導入された輸入制限措置は同協定に違反しているとした。国内調達率の目標値の設定など、現地に進出した自動車メーカーを対象とした措置(2022年11月25日記事参照)や、輸入企業の外資出資比率の上限設定などの投資制限措置も、同協定への違反とみなしている。

アルジェリアはWTO加盟作業中で、正式な加盟には至っていない。このため、WTOによる紛争解決機能の対象外となり、WTO紛争解決手続きに基づく協議の申し立ては行えない。欧州委はこの問題を直接解決するために、在アルジェリア・EU代表部を通じて、商業・輸出促進省に数回にわたり口上書を提出し、2024年1月にアルジェに代表団を派遣したが、進展がなかった。そのため、紛争解決措置を定めた連合協定に基づき、正式な紛争解決手続きの第一歩として、EUはアルジェリア政府およびEU理事会(閣僚理事会)、欧州委の代表によって構成されているEU・アルジェリア連合協議会(Association Council)に対して、EU側の各要求をまとめた口上書を提出した。解決に至らない場合、EUは最終的に仲裁パネルの設置を要求する可能性がある。

(ピエリック・グルニエ)

(アルジェリア、EU)

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