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米クアンタムスケープ、フォルクスワーゲンと全固体電池の大量生産に向けた合意を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月22日 0時15分

米国スタートアップのクアンタムスケープ(本社:カリフォルニア州サンノゼ市)は7月11日、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)の車載バッテリー事業子会社パワーコーと、クアンタムスケープの技術に基づく全固体電池を大量生産する合意に達したと発表した。

この合意に基づきパワーコーは、一定のロイヤルティー支払いを条件に、年間最大40ギガワット時(GWh)の全固体電池を製造でき、80GWhまで拡大するオプションも得た。これは年間約100万台の車両に装備できる量になる。

電気自動車(EV)に用いられるリチウムイオン電池は一般的に、電解質として液体を使用し、充電・放電するときリチウムイオンがこの液体を通って、アノード(陽極)やカソード(陰極)へ移動する。全固体電池は電解質として固体を使用し、リチウムイオンは固体を通って移動する。クアンタムスケープは従来の炭素やシリコンのアノード材の代わりにリチウムメタルアノードを使用している。リチウムメタルアノードは従来のアノード材よりエネルギー密度が高い。また、同社の設計は「アノードなし」で製造され、初回充電時にアノードが形成される。この全固体リチウムメタル電池技術により、航続距離が増え、高速充電が可能になり、電池寿命も長く、発火リスクも低減され、アノード材を使用しないことで製造コストも下がるという。

パワーコーによる試験では、2024年1月時点でクアンタムスケープの全固体電池は1,000回の充電サイクル後も95%以上のキャパシティーを保持した。1回の充電で500~600キロメートルの走行が可能で、計50万キロメートル以上走行できるバッテリー寿命という。

VWグループは2012年からクアンタムスケープと協力関係にあり、同社の主要出資者の1つ。今回の合意により、全固体電池の大量生産への道筋が整うことになる。

(松井美樹)

(米国)

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