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1~9月累計で150億ドル超の貿易黒字を達成(アルゼンチン)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年10月31日 9時30分

添付資料PDFファイル(252 KB)

アルゼンチン国家統計センサス局(INDEC)が10月18日に発表した貿易統計によると、2024年1~9月の輸出は前年同期比15.5%増の591億2,400万ドル、輸入は24.2%減の440億4,900万ドルだった(添付資料図参照)。貿易収支は、前年同期の69億4,200万ドルの赤字から、150億7,500万ドルの黒字へと転じた。

10月18日付現地紙「ペルフィル」(電子版)によると、2024年は9カ月連続で貿易黒字を達成しており、主な要因は2023年に見舞われた干ばつの影響がなく軽減され、農業産品の輸出が回復したことと、輸入が経済活動の低下とともに減少を続けているためだとしている。しかし、2024年初来2桁台の大幅な減少を続けていた輸入は、9月に「社会的包摂の促進と資金調達のための外貨購入に係る税(通称:パイス税)」の税率が17.5%から7.5%まで引き下げられたことで(2024年9月3日記事参照)、9月の減少幅が前年同期比8.8%減と1桁台になり、輸入を増やす要因となっている。

1~9月の輸出を品目別にみると、一次産品の輸出額は前年同期比27.2%増、燃料・エネルギーは26.3%増、農畜産物加工品は16.1%増、工業製品は1.8%増と全ての項目が増加した(添付資料表1参照)。主要輸出品目をみると、輸出額全体の13.5%を占める大豆油かすは26.1%増で、主にベトナム、トルコ、サウジアラビアなど向けに79億7,500万ドルが輸出された。次に、輸出額全体の9.5%を占めるトウモロコシは、5.8%増の56億3,600万ドルで、主にベトナム、ペルー、韓国向けだった。輸出額全体の6.8%を占める石油および歴青油(原油に限る)は52.4%増で、チリ、米国、ブラジル向けなどに40億3,300万ドルが輸出された。

輸入については、ほぼ全ての品目の輸入額が前年同期比で減少した。特に燃料・潤滑油関連品が48.3%減と大きく減少したほか、資本財の部品が24.0%減、中間財が23.5%減、資本財が20.9%減、消費財が16.5%減だった。他方、乗用車(広義の乗用車全般)は27.7%増と大幅に増加した。輸入額全体の6.1%を占めた大豆は44.8%減、2.2%を占める軽油も46.1%減だった。一方、1.8%を占める乗用車(シリンダー容積が1,500超~3,000立方センチメートル以下のもの)は30.0%増加した。

1~9月の輸出額を仕向け地別にみると、ブラジル向けが前年同期比10.3%増の98億2,500万ドル、次いで中国(香港・マカオを含む)向けが24.6%増の50億2,500万ドル、そしてチリ向けが28.4%増の46億7,700万ドルとなった。チリが米国を抜いて3番目に輸出額が大きい仕向け地となった。

同じく輸入額を原産地別にみると、ブラジルからの輸入が前年同期比28.9%減、中国が28.8%減、米国が29.9%減となったが、これら3カ国に対しては貿易赤字で、チリに対しては黒字だった。対日貿易については、輸出額が53.5%減、輸入が4.7%減で、6億5,394万ドルの貿易赤字となった(添付資料表2参照)。

(山木シルビア)

(アルゼンチン)

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