OPECプラス、現行の生産量調整方針の維持で合意、ロシアも減産に注力(中東、イラク、カザフスタン、ロシア)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年4月5日 11時0分
OPECプラス(注)は4月3日、第53回共同閣僚監視委員会(JMMC)を開催し、2月に開催した第52回JMMCまでに合意した現行の生産量調整方針(2024年2月5日記事参照)を維持することで合意した。
OPECは同日のプレスリリースで、イラクとカザフスタンが生産目標の順守を達成し、過剰生産分の補償を行うことを発表した。2023年6月の第35回閣僚級会合で決定した2024年末までの生産量調整で、イラクは日量約443万バレル、カザフスタンは同約163万バレルの生産が目標となっている(2023年6月5日記事参照)。その後、2023年11月の第36回会合の同日、両国を含むOPECプラス加盟7カ国が発表し、2024年3月に同年6月末までの延長が決定した追加自主減産(2024年3月6日記事参照)では、イラクが日量22万バレル、カザフスタンが同8万2,000バレルの減産を行うことが発表された。OPECが3月12日に発表した「Monthly Oil Market Report」の3月版では、2024年1月の原油生産量について、イラクは日量約422万バレル、カザフスタンは同約160万バレルとなっている。
併せてOPECは、2024年1~3月に生産過剰となった加盟国に対して、4月30日までに詳細な補償計画をOPEC事務局に提出することとしている。
また、OPECは同プレスリリースで、ロシアが2024年第2四半期(4~6月)に実施する追加の自主削減について、輸出量ではなく生産量に基づくものとするという同国の発表を歓迎した。ロシアのアレクサンドル・ノワク副首相は3月3日、2024年4~6月に原油生産と輸出を合わせて日量47万1,000バレルの追加自主削減を行うことを決定していたが、ロイター通信(3月29日)によると、ノワク副首相はその後3月29日に、OPECプラスの他の加盟国と減産量を均等に配分するため、ロシアは2024年第2四半期に輸出量ではなく産出量の削減に注力すると発表した。また、同副首相は4月3日、ロシアは2024年6月に生産量が日量900万バレルとなるよう減産を行うと述べた(「タス通信」4月4日)。「Monthly Oil Market Report」3月版によると、2024年1月のロシアの原油生産量は950万バレル。
原油価格は2024年1月から上昇傾向が続く(添付資料図参照)。米国エネルギー情報局(EIA)の統計では、3月28日時点で米WTIが1バレル当たり83.96ドル、北海ブレントが86.17ドルだった。
次回の第54回JMMCは6月1日に開催予定。
(注)サウジアラビア、アラブ首長国連邦(UAE)などOPEC加盟国と、ロシア、メキシコなど非加盟の産油国で構成。
(久保田夏帆)
(中東、イラク、カザフスタン、ロシア)
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