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史上初のeスポーツ・ワールドカップ閉幕、2025年にオリンピック開催へ(サウジアラビア)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年9月2日 0時35分

サウジアラビアの首都リヤドで7月3日から約8週間にわたり行われていた史上初の「eスポーツ・ワールドカップ」が8月25日に閉幕した。賞金総額6,000万ドルを超え、約500のチームと1,500人の選手が参加したこの大会は、eスポーツ史上最大のイベントとなった。200万人以上の来場者を集め、開催期間中、リヤドへの訪問者数は前年同期比で29%以上増加した。同大会の視聴者数は5億人、総視聴時間は2億5,000万時間を超え、2024年の世界記録を樹立した。

初代総合優勝チームとなったサウジアラビアのTeam Falconsには、モハンマド・ビン・サルマン皇太子兼首相から直接トロフィーと優勝賞金700万ドルが授与された。同大会では22の競技が行われ、競技順位ごとにポイントを付与し、合計ポイントにより総合優勝が決定する。同チームは参加チーム最多の18競技にエントリーしており、2位以下のチームに大差をつけて優勝した。日本からは、格闘ゲーム「ストリートファイター6」と「鉄拳8」が同大会の競技として選出された。

写真 ストリートファイター 6/競技の様子(ジェトロ撮影)

ストリートファイター 6/競技の様子(ジェトロ撮影)

また、大会の閉幕にあわせ、大規模カンファレンスイベントとして「THE NEW GLOBAL SPORT CONFERENCE」が開催された。「ファンダム(注)の未来(THE FUTURE OF FANDOM)」をテーマに、スポーツ、eスポーツ、ゲーム、エンターテインメント、テクノロジー分野などの有識者が一堂に会し、事業計画、コンテンツ、知的財産(IP)、マーケティング、コミュニティ構築におけるファンダムの影響について議論された。日本企業からは、セガ、ソニー、バンダイナムコの代表者が登壇した。

写真 THE NEW GLOBAL SPORT CONFERENCE/パネルディスカッション(ジェトロ撮影)

THE NEW GLOBAL SPORT CONFERENCE/パネルディスカッション(ジェトロ撮影)

サウジアラビアは、Vision2030エンターテインメント分野の一環として、2030年までにゲーム産業の中心となることを目指している。2025年には、サウジアラビアで第1回オリンピックeスポーツ大会を開催する予定だ(2024年7月16日記事参照)。

(注)アニメや漫画、スポーツなどの分野に熱心なファン、およびそれらによって形成される世界のこと。

(井村文哉)

(サウジアラビア)

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