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米商務省、バイオテクノロジー研究機器を輸出管理対象とする暫定最終規則を発表(米国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月17日 15時55分

米国商務省産業安全保障局(BIS)は1月15日、バイオテクノロジーに関連する特定の研究用機器を新たに輸出管理の対象とする暫定最終規則(IFR)を発表した。官報では翌16日付で公示し、同日から有効となった。

BISは、2022年9月に出された米国内バイオ産業の振興に関する大統領令(2022年9月14日記事参照)を引き合いに出しつつ、バイオテクノロジーの進展は人間の健康状態の大幅な改善に貢献する一方で、特定の国は軍事的優位性を得るためにこれら技術を積極的に利用する戦略を追求しているとした。特に生物学的設計ツールと人工知能(AI)を組み合わせた場合、懸念国の軍事能力が強化され、米国の国家安全保障に対する脅威となる可能性があると、今回のIFRの背景を説明した。その上で、次の機器を新たに輸出管理の対象とするとした。

個々の細胞や粒子の複数の特性を同時に測定する高パラメータフローサイトメーター
トップダウンプロテオミクス(注1)用に特別に設計された液体クロマトグラフィー質量分析計

BISは今回のIFRに対して、パブリックコメントを受け付ける。パブコメは連邦政府のポータルサイト(BIS-2024-0050)から提出可能で、3月17日に締め切る。

今回の発表に際し、商務省で輸出管理を管轄するアラン・エステベス次官は「われわれは、バイオテクノロジーの有益な利用を促進するために、これらの研究機器を国際社会が責任を持って使用できる能力を維持しつつ、懸念のある国々に焦点を当てるために、戦略的にこれらの規制を策定した」と述べた。

1月20日に迫る米政権交代を前に、先端技術に対する輸出管理の強化が連日発表されている(注2)。これらバイデン政権で強化された規制は、トランプ次期政権下で厳格に運用されるのではないかと指摘されている。

(注1)プロテオミクスは、タンパク質について研究する学問分野。

(注)1月13日にはAI向け半導体などへの輸出管理を強化するIFR(2025年1月14日記事参照)が、今回のIFRと同日の1月15日には、中国向け先端コンピューティング用半導体に対する輸出管理を強化するIFR(2025年1月16日記事参照)が発表されている。

(赤平大寿)

(米国)

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