12月のインド乗用車販売、一般乗用車が1年8カ月ぶりに前年同月比増(インド)
ジェトロ・ビジネス短信 / 2025年1月23日 1時0分
インド自動車工業会(SIAM)は1月14日、2024年12月と同年1~12月の自動車統計(出荷ベース)を発表した。12月の乗用車〔多目的車(UV)とバンを含む〕の国内販売台数(単月)は、前年同月比11.4%増の27万704台で、2桁の高成長だった(添付資料表1参照)。中でも2023年5月から19カ月連続でマイナス成長が続いていた一般乗用車が前年同月比15.5%増と、1年8カ月ぶりに大幅に好転した。なお、表1の数字には含まれていないが、地場タタ・モーターズを含めると、12月の乗用車販売台数は31万4,934台に上る(注)。
2024年度第3四半期(10~12月)の乗用車国内販売台数は前年同期比4.5%増の105万8,145台で、同年度第2四半期(7~9月)から微増した。タタを除く自動車販売全体(乗用車、二輪車、三輪車)は、12月単月では前年同月比5.1%減の142万9,007台、第3四半期では前年同期比5.0%減の612万1,588台だった。
2024年1~12月の年間販売台数は、乗用車が前年比4.2%増の427万4,793台、商用車が同2.7%減の95万1,991台、二輪車が同14.5%増の1,954万3,093台、三輪車が同6.8%増の72万8,670台だった。SIAMのシャイレシュ・チャンドラ会長は「2024年は自動車業界にとって好調な年だった。消費者心理が前向きで国内のマクロ経済が安定したことで、自動車業界全体の成長を押し上げた」と説明している。さらに「この勢いに乗って2025年も引き続き成長が見込まれる」と総括した。
12月単月のメーカー別乗用車販売では、首位のマルチ・スズキが前年同月比24.2%増の13万117台と好調だった。一方、現代は同1.3%減の4万2,208台と引き続き不調だ(添付資料表2参照)。安定した成長を続ける地場マヒンドラ&マヒンドラは同17.8%増の4万1,424台、トヨタ・キルロスカは同16.3%増の2万4,853台だった。その他日系メーカーでは、ホンダが同29.1%減の5,603台、日産が1.5%減の2,117台だった。なお、統計に含まれていないタタ・モーターズは、電気自動車(EV)を含めて同1.7%増の4万4,230 台で、現代を抜いて2位相当となった(同社発表)。
車種別にみると、一般乗用車の上位3位は、首位のマルチ・スズキのコンパクトモデル(「スイフト」「ワゴンR」など)は5万4,906台(一般乗用車とUVを合わせた順位でも首位)で、前年同月比20.0%増と好調だった。2位の現代のコンパクトモデル(「オーラ」「グランドiシリーズ」など)は1万1,794台(同8位)で同13.5%減、3位のマルチ・スズキのミニモデル(「アルト」「エスプレッソ」など)は7,418台(同10位)の同2.9倍だった。UVの上位3種は、首位のマルチ・スズキのコンパクトUV(「ブレッツァ」など)は2万9,188台(同2位)の前年同月比25.5%増、2位のマヒンドラ&マヒンドラのUV(「マラッゾ」など)は2万4,751台(同3位)で同43.1%増、3位のマルチ・スズキのUV(「エルティガ」など)は2万3,151台(同4位)で同16.0%増だった。
二輪車の12月単月の国内販売台数は前年同月比8.8%減の110万5,565台で、マイナスに転じた(添付資料表1、表3参照)。第3四半期の累計では、前年同期比3.0%増の487万4,590台だった。12月単月の販売実績をメーカー別にみると、首位のヒーローは前年同月比22.1%減の29万4,152台、2位のホンダは同5.3%減の27万919台で減少傾向だったが、3位のTVSモーターは横ばいの21万5,075台と持ちこたえた。その他日系メーカーでは、スズキは同14.2%増の7万8,834台、ヤマハは同8.1%減の3万6,780台だった。
(注)タタ・モーターズの販売台数は単月の乗用車販売台数のみ公開。自動車販売台数全体とセグメント別、メーカー別、車種別、二輪車、三輪車統計には含まれない。
(大野真奈)
(インド)
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