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欧州委のフォン・デア・ライエン委員長、2029年までの続投が決定(EU)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年7月19日 14時50分

欧州議会は7月18日、欧州委員会のウルズラ・フォン・デア・ライエン委員長の2期目続投を賛成多数で承認した(プレスリリース)。任期は5年。フォン・デア・ライエン委員長は今後、次期欧州委の発足に向け、加盟国とともに委員候補を選定する。各委員候補は、欧州議会での公聴会を経た上で、委員長を含む次期欧州委として一括で承認された後に、欧州理事会(EU首脳会議)により正式に任命される。

フォン・デア・ライエン委員長は、再選に必要な360票を大きく上回る401票の賛成票を得た。前回2019年には僅差で選出されたことから(2019年7月17日記事参照)、今回は、自身が所属する中道右派の欧州人民党(EPP)グループをはじめ、中道左派の社会・民主主義進歩連盟(S&D)グループや中道の欧州刷新(Renew)グループを中心に行った多数派工作(2024年6月12日記事参照)が功を奏したとみられる。ただし、秘密投票であるため、協力の是非が焦点となっていた右派(一部極右)の欧州保守改革(ECR)グループを含め、どの政党あるいは議員がフォン・デア・ライエン委員長を支持したかは明らかになっていない。

委員長が投票前に演説、右派・左派の幅広い支持獲得を意識した内容に

フォン・デア・ライエン委員長は、自身の信任投票を前に、欧州議会で次期欧州委の方針について演説。EPPほか、S&DやRenewなど、幅広い政党グループに配慮した内容となった(注)。最優先課題として、欧州理事会が戦略アジェンダ(2024年7月4日記事参照)で示した域内産業の競争力強化を挙げた。企業の規制対応負担の軽減を重視し、報告要件の簡略化や許認可の迅速化などを目指すとした。

欧州グリーン・ディールについては、どの技術で目標を達成するかは問わない「技術中立」の原則に基づき、現実的なアプローチで実施するとした。EPPの一部などから撤回を求める声が上がっている、2035年以降の内燃機関搭載の新車販売禁止(2023年3月30日記事参照)については言及しなかった。一方で、既に法制化されている2050年の気候中立達成や2030年目標である温室効果ガス(GHG)排出55%削減(1990年比)に加え、今後議論が本格化する2040年目標案である90%削減(2024年2月14日記事参照)についても案を堅持。実現に向けた関連法の実施と投資の強化を表明した。

(注)各政党グループのマニフェストについては、2024年7月10日付地域・分析レポート参照

(吉沼啓介)

(EU)

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