総額50億ドルのイスラム債（スクーク）発行、購入申請受け付けの完了を発表（サウジアラビア）

サウジアラビア財務省所管の国債管理センター（NDMC）は5月29日、サウジアラビアのグローバル信託証書発行プログラムに基づく総額50億ドルのイスラム債（スクーク）（注）発行に対する投資家の購入申請受け付けを完了したと発表した。

今回のスクークは、2027年満期の3年スクーク（発行額12億5,000万ドル）、2030年満期の6年スクーク（発行額15億ドル）、2034年満期の10年スクーク（発行額22億5,000万ドル）の3種類に区分されており、総額は50億ドルとなる。

この3区分に分けられたスクークの発行はサウジアラビア初の試みで、サウジアラビが国際的な債券資本市場からの資金調達を効率的かつ効果的に行うために、資金調達源を多様化し、投資家基盤を拡大するという国債管理センターの戦略の一環として行われた。

総応札額は約200億ドルに達し、発行額に対して4倍の超過となった。応札倍率はサウジアラビアのスクークに対する強い需要を反映しており、サウジアラビア経済と将来の投資機会に対する海外投資家の信頼を裏付けるものとなった。

（注）イスラム法に基づくイスラム金融の取引を通じて得られる収益を証券化した商品の総称。イスラム金融では、利子の受け払いなどが禁止されており、資産・事業などを裏付けとして、生み出される利益などが投資家に支払われる仕組みとなっている。

（平田若菜）

（サウジアラビア）