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英中銀、約4年5カ月ぶり政策金利の引き下げを発表、5.0%に(英国)

ジェトロ・ビジネス短信 / 2024年8月2日 10時20分

英国イングランド銀行(BOE、中央銀行)は8月1日、政策金利を0.25ポイント引き下げ5.0%とすることを発表した。前日まで開かれていた金融政策委員会(MPC)で決定。2020年3月以来、約4年5カ月ぶりの引き下げとなる。MPCでは、9人中5人の委員が0.25ポイント引き下げて5%にすることを支持し、4人は5.25%の維持を支持していた。ウクライナ情勢や新型コロナウイルスのような世界的ショックによる影響が和らいだことに加え、インフレ圧力に十分な緩和が見られたことが引き下げの理由としている。5月と6月のインフレ率は2%と、BOEの目標を2カ月連続で達成していた(2024年6月20日記事参照)。

一方で、全体的なインフレ率は目標値に達しているものの、ホテルやレストラン、保険、住宅の家賃などのサービス価格は、依然として過去の平均を大きく上回る上昇率と指摘。アンドリュー・ベイリーBOE総裁は「インフレ率を低水準にとどめることが必要で、金利を急激に、あるいは大幅に引き下げすぎないように注意する必要がある」と述べ、今回の決定がさらなる引き下げの前触れにはならないと警告した。

BOEは今回の発表に合わせて、金融政策報告書も公表した。GDP成長率に関しては好調だった2024年第1四半期(0.7%)に続き、第2四半期も0.7%を見込んでいる。一方、2024年後半は低下する見込みとし、第3四半期は0.4%、第4四半期は0.2%と予測している。インフレ率に関しては、2024年後半には前年のエネルギー価格の下落が年間比較から外れるため約2.75%に上昇するものの、2026年第3四半期に1.7%、2027年第3四半期には1.5%に低下するとの見通しを示した。また、MPCは金利の決定に際し、労働市場の逼迫性、賃金上昇率、サービス価格インフレ率など、英国経済全体の持続的なインフレ圧力と回復力の兆候を注意深くモニタリングするとしている。労働市場については、緩和しつつあるものの、歴史的基準からすると依然として逼迫状態と判断。賃金上昇率については、民間部門の賃金上昇率は5.6%へと鈍化し、2024年中は約5%にとどまると予測。サービス価格インフレ率については、6月に5.7%に低下した。賃金の伸びが一段と弱まる中、2024年中は緩やかな緩和が続くと予想した。

(松丸晴香)

(英国)

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